Bordeaux 生産地区の特徴と制度

2020年9月9日水曜日

Wine雑学

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Bordeaux

  • Bordeaux はフランスのACワインの約4分の1に当たる膨大な量のワインを産出しています。また質においても並酒から最高級ワインに至るまで有る幅広く多彩な銘醸地域であります。

  • 歴史的に英国領だった時期もあり英国に於いて愛飲されているのはもとより、広く海外に於いても愛飲されています。現在でもその多くが輸出されています。

  • ボルドーワインの銘酒は、シャトーワインである。そして、7対3で赤が主体である事がが大きな特色ですが、辛口白ワイン、甘口白ワイン、ロゼ、発泡性のクレマンなど、多種多様なワインが生産されています。

  • Bordeaux の赤ワインは、Cabernet Sauvignon、Merlot、Cabernet Franc などをブレンドして造られることが一般的です。白ワインもSémillon、Sauvignon Blanc、Muscadelle などがブレンドされます。

  • 地理的に海に近く温暖な気候は葡萄栽培に適しており、その生産地はジロンド河とその支流の流域にあります。

  • ボルドーAOCワインと一口に言っても、手頃な価格で日常的に楽しめるワインから、世界的に高評価を受ける高級なグラン・クリュ・ワインまで、幅広い価格帯と品質のワインがあります。

五つの生産地区と特徴


1.Le Medoc(メドック)
 水はけのよい砂礫層(小石、砂、砂利の混合土)の土壌は主要品種である Cabernet Sauvignon 種に最適です。これに多くは Merlot 種を配し、長期保存の可能な、コシのある、しっかりした赤ワインを生み出しています。 

2.Les Graves(グラーブ)
 Bordeaux ワインは、Graves から発達した。Medoc が有名になる18世紀以前は Graves のワインが圧倒的にもてはやされ英国に輸出される Claret クラレット の一大産地だった。
Graves は、赤ワイン、白ワインを産出しています。

3.Libournais(リブルネ)
 粘土質を含んだ軟質砂岩の土壌と変化に富んだ地形、それ程強くない海洋性の気候とが相俟って、Bordeaux ワインの中でも得意な性格を形造くっている。
Merlot の柔らかさを特徴とするそのワインは、Bordeaux の中でも最もアルコールがしっかりとしていて豊満である。長期熟成も可能だが、若い内からも楽しむことが出来る。

4.Entre-deux-Mers   (アントル・ドゥ・メール)
 ユニークな偉大なワインは産出していないが、お手頃 Bordeaux の産地として知られ、リーズナブルな価格の良質ワインが手に入る。

5.Blayais et Bourgeais(ブライ・ブール)
 ローマ時代、葡萄の木が持ち込まれ栽培され始めたのは Medoc よりも早く15世紀頃はこちらの方が有名であった。赤も白も産するが赤の比率が高い。

Bordeaux AOC(Appellation d'Origine Contrôlée:原産地統制呼称)

 AOCは、そのワインが特定の産地で、決められたブドウ品種、栽培方法、醸造方法などの基準を満たして造られたものであることを証明するフランスの法律に基づいた制度です。

Bordeaux には現在、約60のAOCが存在し、それぞれが独自のテロワール(畑の場所、土壌、気候、作り手などの複合的な自然条件)を反映した様々なワインを造っています。

Bordeaux AOCは、村名AOCまででブルゴーニュのように、その上の、畑名AOC(1級と特級)はなく Chateau Wine の中でも常に高品質ワインを造っているシャトーに公的「格付け」がなされている。特に有名なものは、1855年パリ万博に合わせて制定された Medoc Graves 格付けです。AOCと「シャトーの格付け」は、全く別のものなので混同しない事です。
  • 村名AOC ; St-Estephe, Pauilac, St-Julien, Margaux, Listrac-Medoc & Moulis
  • 地区AOC ; Medoc Haut-Madoc
  • 地域AOC ; Bordeaux の販売される赤ワインの全生産量の4分の3を占める。
  • Bordeaux /最大生産量は55hl/ha、最低アルコール度数は10度(Bordeaux Sec/Bordeaux Clairet/Cremant de Bordeaux) (Bordeaux Haut-Benauge)
  • Bordeau Superieux /最大生産量は50hl/ha、最低アルコール度数は10,5度

Bordeaux の主な生産地区とAOC

Bordeaux は、Gironde 川を挟んで左岸と右岸、そしてその間にある Entre-Deux-Mers に大きく分けられます。

1. 左岸

 主に Cabernet Sauvignon を主体とした骨格のしっかりした赤ワインが特徴です。
  • Medoc地区 : Bordeaux を代表する赤ワインの銘醸地。
             Haut-Médoc

             Communale AOC  (村名AOC)

                1.Pauillac 村 
                2.Margaux 村
     3.Saint-Julien 村
     4.Saint-Estèphe 村
     5.Moulis 村
     6.Listrac 村
  • Graves 地区 : 赤ワインと辛口白ワインの両方が造られます。Graves 地区全体のAOCから1987年に独立した Graves の中でも特に評価の高い Pessac-Léognan AOC があります。        

  • Sauternes 地区 / Barsac 地区 : 世界三大貴腐ワインの一つ甘口白ワインの銘醸地。

2. 右岸

 主に Merlot を主体とした、まろやかで豊かな果実味の赤ワインが特徴です。

  • Saint-Émilion 地区  : 世界遺産にも登録されている美しい村。Merlot 主体の、しなやかで複雑な味わいの赤ワイン。

   Saint-Émilion Grand Cru
  • Pomerol 地区 : 小規模ながら、非常に高価な Merlot 主体の赤ワインが造られます

  • Fronsac / Canon-Fronsac

  • Côtes de Bordeaux : 複数のAOCが統合されてできた比較的新しいAOC。日常的に楽しめるワインが多いです。

                 1.Castillon Côtes de Bordeaux
                 2.Francs Côtes de Bordeaux
                 3.Blaye Côtes de Bordeaux
                 4.Cadillac Côtes de Bordeaux

  • Blaye / Bourg : 手頃な価格で親しみやすいワインが多い地域。

3. Entre-Deux-Mers

 「2つの海の間に」という意味で、ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれた地域です。
主に辛口白ワインが造られます。
この地域の赤ワインは、Bordeaux AOC として販売されます。

Bordeaux の格付け

Bordeaux には、AOCとは別に、歴史的な「格付け」が存在します。特に有名なのが以下の3つです。これらの格付けは、AOCが生産基準を定めるのに対し、ワインの品質や評価を示すもので、特にメドック格付けのシャトーは世界中で高値で取引されています。
  • 1855年 Medoc 格付け : Medoc 地区の赤ワインと Sauternes・Barsac 地区の甘口白ワインが対象で、第1級から第5級までの等級があります。
  • Graves 格付け : Graves 地区の赤・白ワインが対象。
  • Saint-Émilion Grand Cru Classé  : Saint-Émilion 地区の赤ワインが対象で、10年ごとに見直しが行われます。

公的格付けがされている4地区

  1. Medoc (1855年制定)
  2. Sauternes (1855年制定)
  3. Graves (2003年制定)
  4. St-Emilion (2006年制定) 
1855年の格付け(Medoc&Sauternes の Crus Classes)は、ナポレオン3世によって、この年の万博の目玉商品としてボルドーワインの高級品を選び出し格付がされました。
「赤」は Medoc のものが選ばれ1級から5級までのランク付けがされ、「白」は Sauternes のものが選ばれた。
「赤」の唯一の例外は Graves の Haut-Brion が Medoc 以外から選ばれ1級に格付けされた。

Bordeaux を代表する最高級ワインとして赤ワイン61、白ワイン26のシャトーが選ばれ、「ボルドーの格付けシャトー」「ボルドーの格付けワイン」と言われています。
この格付けは今日に至るまで、1973年の「ムートン・ロートシルト」が2級から1級に昇格した以外は改訂されていません。

Medoc格付けシャトーの赤ワインラベル表示
 1級は Premier Grande Cru Classe。
 2級から5級は、全て Grande Cru Classe と表示しクラス分けの表示はない。
 Medoc では「Crus Classes」の下に Medoc Cru bourgeois を設けている。

Bordeaux 特有の制度

Bordeaux 特有の制度として「シャトー名をラベルに表示」したワインを市場に出すための条件を決めた制度が Chateau System です。
ボルドーワインは「Chateau Wine」と「Generic Wine」に分けられる。

Chateau Wine

 Chateau Wine の中でも常に高品質ワインを造っているシャトーに公的「格付け」がなされておりラベルには「Cru Classe」と表示し区別している。
「Chateau 名をラベルに表示」できる条件
 *自己の葡萄畑で栽培した葡萄のみを使用する
 *自分の醸造所でワインに仕込む
 *自分のところで樽貯蔵する
 *自分のところで瓶詰めを行う
 *畑や醸造所の設備などへの条件はありません。

Generic Wine

Chateau 名を表示できない。
※一般的には、地域・地区・村のAOCの名前が大きくラベルに表示されている。
※ボルドーの大手酒商(メーカーやネゴシアン)が、その地区や村の葡萄や樽酒を買い集め、混醸したワインを言う。 
※当然ながら他の地区や他の村の葡萄や酒を混ぜることは出来ません。
※ワインはその地区や村の性格を反映し、AOCの規定に従った一定の水準以上のものでなければならない。

ラベル表示はAOCにのっとって3種類に分けられる。
  1. ボルドー全域のもの「Bordeaux」
  2. 地区のもの「Medocや Graves・・・・」
  3. 村のもの「MargauxやSt-Emilion・・・・」 これはセミ・ゼネリックとワンランク上の呼び方をする。

Second Label 

Bordeaux の高級ワインは、ぶどうの品種別、畑別に醸造し、個別に樽貯蔵する。それらを試飲し、選別したものをブレンドし、シャトー名にふさわしいワインを造っています。
この時、選別からもれたワインをさらに選別して、別の名称のワインを造る。これを「セカンド・ラベル」と言います。
概して樹齢の若い木から造ったワインが中心となるので、比較的軽く早く飲めるタイプになり市場で受け入れられています。
主にGrande Crus Classeでおこなわれている。

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趣味として、Wineや台湾の紹介ブログを書いたり、台湾では大阪の食文化を紹介しながら「話せる日本語」を教えています。 30代前半で起業、60で引退、現在は大阪、南国台湾を往復しながらフリーランスな生活をしています。

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