Bordeaux Saint-Émilion 格付けの頂点 Premier Grand Cru Classé A の地位にある Ch.Cheval Blanc と Bordeaux 格付け特別第1級に Sauternes から唯一選ばれた Ch. d'Yquem を束ねる巨匠 Pierre Lurton 氏との再会はまさに奇跡でしかない。(Ch.Cheval Blanc は、格付けが開始された1955年以来 Premier Grand Cru Classé A に君臨していたが、2022年に格付けに参加しないことを表明する)
Bordeaux の一流シャトー経営者は超多忙です。世界市場のトレンドを読み栽培と醸造の指揮をとり、価格に直結する春のプリムールのプレッシャーとの戦い、世界を飛び回りプロモーション活動もしなければなりません。それを1人でこなす Pierre Lurton は天才醸造家にして鉄人だ。
2000’04/09
大阪のワインショップ「エノテカ」の Cheval Blanc 販売会場で Pierre Lurton との再会を記念した写真です。お互いに若いですね。箱買いした1993’ 1994'のボトル一本一本に丁寧にサインをしてくださいました。
1993’ヴィンテージ
1994’ヴィンテージ
人には、それぞれの歴史が有り、趣味が有り、大事にしている物が一つ二つは有るものです。
こんな私が大事にしている物は Ch.Cheval Blanc の支配人 Pierre Lurton 氏との記念すべき写真、握手を交わした時の Pierre Lurton 氏の手の温もり、そして1993,1994'ヴィンテージの瓶に一本一本丁寧にサインをしていただいたエチケットです。
このあと近所の馴染みの店でカラスミを肴に Ch.Cheval Blanc を嗜みました。
Pierre Lurton
Pierre Lurton 関係のシャトー
- Château Marjosse(オーナー)
- Ch.Cheval Blanc(マネージング・ディレクター)
- Ch. d'Yquem(マネージング・ディレクター)
- Château Bonnet(Vignobles Famille André Lurton の発祥地)
- Lurton 家発祥の地である Créac(Crestiac) で、特にブドウ栽培に優れた5区画のパーセルから生産される「Pierre Lurton」という彼自身の名を冠したワインを造っています。
- Andre Lurton 氏と Pierre Lurton 氏は、同じ Lurton 家の一員であり、ボルドーワインの発展に貢献した重要な人物です。
Château Marjosse
- 【Ownership】Pierre Lurton(1991年から、d'Yquemの支配人も務めています)
- 【Region or Appellation】Entre-deux-Mers > Bordeaux > France
- 【Wine Style】Red-Savory and Classic
- 【Grape/Blend】Bordeaux Blend Red Wine
- 【Blend】Merlot, Cabernet Franc, Cabernet Sauvignon & Malbec
- 【Food Pairing】Beef and Venison
- 【Sweetness】Dry
- 【Maturation】French Oaked
- 【Alcohol ABV】13.5%
- 【Avg. Price 】¥2,000/750ml
- Ch.Marjosse は、Bordeaux 地方の Entre-deux-Mers 地区にあるワイン農園です。代表的ワインは、Sauvignon Blanc, Sémillon, Muscadelle をブレンドした白ワインですが、Merlot, Cabernet Sauvignon, Cabernet Franc , Malbec を使った同量の 赤ワインも造っています。この地域の特徴として赤ワインは、広域の Bordeaux AOC として販売されます。
- このシャトーは、Bordeaux の有名な Ch.Cheval Blanc と Ch.d'Yquem のマネージング・ディレクターでもある Pierre Lurton が所有しています。
- Lurton は、1990年に12haの Marjosse のワイン造りを引き継ぎます。Marjosse での仕事を始めた直後に Yquem からワイン造りの仕事も依頼されています。
- 1991年の霜害にあったりなどの困難がありましたが、最終的に2013年に長年の所有者である Deleuze 家からこの土地を購入しました。
- Lurton は、2014年から敷地の改修を始め、Lurton は数十年かけて vineyards, winery 、印象的な石造りの manor house(宗教施設)を大々的に改修した。
- Lurton は、シャトーの立て直しの一環として、新しいブドウ畑を耕作し、古いブドウ畑は植え替え、ワイン醸造施設は改良した。
- 現在、65haの土地を所有しており、そのほとんどがブドウ畑です。赤ワイン用のブドウの木は平均樹齢25年、白ワイン用のブドウの木は平均樹齢35年を超えています。
- 年間生産量は16,000ケースを超えます。ワイン造りは、 Lurton と技術責任者のJean-Marc Dommeによって監督されています。
Last updated 16-Sep-2024
Ch.Cheval Blanc
- 【Ownership】Albert Frère 男爵(ベルギーの投資家) & Bernard Arnault(LVMH代表)
- 【Management】Pierre Lurton(1990年に依頼される)
- 【Region or Appellation】Saint-Emilion > Libournais > Bordeaux > France
- 【Wine Style】Red-Savory and Classic
- 【Grape/Blend】Bordeaux Blend Red
- 【Food Pairing】Beef and Venison
- 【Avg. Price 】¥110,000/750ml
- 【Saint-Emilion 格付け】※(Premier Grand Cru Classé A)
- 【Cepage】Merlot, Cabernet Franc, Cabernet Sauvignon
- 【Maturation】Oaked
- 【Alcohol ABV】
- 【Sweetness】Dry
- Cabernet Franc をベースとするワインとしては世界で最も有名なドメーヌである。果実の重みがあり、豊満でフルボディである。 10年の瓶熟を必要とする傾向があり、最良のヴィンテージは半世紀以上もつこともある。
- 畑は Pomerol に接する北西部(Les Graves de Saint-Emilion)に位置し39ヘクタールを45の区画に分割している。 Cabernet Franc 約52%と非常に多く植えられており、 Merlot 43%、Cabernet Sauvignon 5%となっている。
- この地域のほとんどのブドウ畑は、不透水性の堆積岩の上に粘土質か砂利をベースとした土壌が広がっているが、Cheval Blanc は、2つのタイプがほぼ同じ割合で混在している点が特徴的である。 粘土質の土壌はビロードのようなタンニンを持つワインのベース、砂利質の土壌のものはよりアロマティックでエレガントなベースのワインを生む。
- 14世紀からこの場所でブドウ栽培は行われていたが、Ducasse デュッカス家が1832年に近隣の Figeac estate から購入した16haの区画を基礎としてその後追加され現在のCheval Blanc となっている。
- Cheval Blanc は、長きに渡って同じ家族が所有し続けてきた、ボルドーでも数少ないシャトーの一つです。
- 1862年のロンドン万国博覧会で最初のメダルを獲得する。これは、その後の数々の成功の始まりとなり、Médoc 地区の一級シャトーに匹敵する価格帯を実現し、その敷地内に château を建設する道を開きました。
- 1955年の Saint-Émilion 初の格付けで最高ランク Premier Grand Cru Classé A に格付けされた。
- 166年間続いた家族経営の後、1998年に高級品会社LVMHの代表 Bernard Arnault と故 Albert Frère 男爵(ベルギーの億万長者投資家)が共同でドメーヌを購入した。
- 2011年にオープンした壮大な新しいセラーには、畑の区画ごとに大きさの異なる52基のステンレス製に代わるコンクリート製タンクが設置されている。
- Grand vin は、様々な樽職人の新樽で16~18ヶ月間熟成されます。年間生産量は8万本です。
- ※ 1955年に Saint-Émilion の格付けが始まって以来、Premier Grand Cru Classé A の頂点に立ち続けてきた Ch. Ausone と Ch. Cheval Blanc の2シャトーですが、2022年に審査基準を理由に格付けから離脱したことで有名です。
Ch. d'Yquem
- 【Ownership】LVMH Moët Hennessy
- 【Management】Pierre Lurton
- 【Region or Appellation】Sauternes > Bordeaux > France
- 【Wine Style】Lush and Balanced
- 【Grape/Blend】Sauvignon Blanc - Semillon
- 【Food Pairing】Blue Cheeses
- 【平均価格】¥70,000/750ml
- 【格付け】1er Grand Cru Classé Supérieur
- 【Maturation】Oaked
- 【Alcohol ABV】13%-14%
- 【Sweetness】Sweet
- Château d'Yquem は、Bordeaux の Sauternes 地区にあるシャトーで、間違いなく世界で最も有名なデザートワインを造っている。 1855年の公式格付けで Premier Cru Supérieur に格付けされた唯一の Sauternes のシャトーです。
- Yquem estate は中世にイングランド王によって所有され、少なくとも1500年代後半から遅摘みのワインを生産してきた。 103ヘクタールのブドウ畑は、Supérieur で最も高い丘の上に位置する。 ここの土壌は甘口ワインの生産に最適で、小石や砂利からなる温暖で乾燥した表土は、粘土質の下層土の上にあり、たっぷりと水分を蓄えているため貴腐の発生を抑えます。湛水を防ぐために約100kmの排水路がある。 常時約12haのブドウ畑は、若いブドウ樹が植えられているか休耕地になっている。
- Yquem vineyard には、Semillon 約75%、Sauvignon Blanc 25%が植えられている。 毎年、約150人の熟練した摘み取りチームがブドウ畑を何度も往復し、完全に※ botrytized されたブドウのみを収穫する。 収穫量は非常に少なく、1ヘクタールあたり約900リットル、1本のブドウの木につきグラス1杯程度である。
- ワイナリーでブドウは3~4回圧搾され、圧力が高くなるほど収穫量は少なくなり糖度が高くなる。 Yquem の発酵は新樽で行われ、小ロットのワインを最大限にコントロールする。
- セラーチームが理想とするアルコール度数は13.5%で、残糖は1リットルあたり120~150グラムだが、糖度によってアルコール度数は1%程度変化する。 摘み取り日ごとにまとめられた個々のロットは、6~8ヶ月間別々に熟成され、その後最初のセレクションと予備ブレンドが行われる。 さらに約24カ月の熟成の後、樽は再テイスティングされ、最良のロットが最終的なワインとなる。
- 平均して毎年約80,000本が生産されるが、ヴィンテージが悪いと、全生産量が匿名で大量に売却される(これは20世紀に9回起こっている)。
- Yquem は若いうちはストーンフルーツ、マンダリン、トースト、バニラ感が現れ、熟成とともに豊かな複雑味を増していく。 グレートヴィンテージでは50年以上熟成させることもできる。イケムはまた、「イーグレック」と呼ばれる辛口の Bordeaux Blanc も造っている。
- このドメーヌは1785年から1999年にLVMHに売却されるまで、 Lur-Saluces 家が所有していた。
Lurton 家
- Lurton 家はボルドー屈指の名家で、1897年、Saint Emilion の南、約20kmの Créac に André Lurton の祖父 Léonce Récapet が Château Bonnet を取得したところから歴史が始まります。
Château Bonnet
- 1953年、André Lurton が Château Bonnet を相続し、Château Bonnet を Vignobles Famille André Lurton の発祥地とした。 2019年に André Lurton が亡くなってからは、息子の Jacques Lurton がグループ会長、孫の Mathilde de Caix-Lurton がマネージング・ディレクターとして一族のドメーヌを取り仕切っている。
- この Créac(Crestiac) の土地は、Lurton 家にとっては、ワインビジネスをスタートさせた発祥の地になります。今では Boardeaux に多くのシャトーを所有する一族となっています。
- Pierre Lurton 氏は、 Lurton 家の一員であり、Château Bonnet を含む Lurton 家が所有する多くのシャトーに関わっています。
- Lurton 家発祥の地である Créac(Crestiac) で、特にブドウ栽培に優れた5区画のパーセルから生産される「Pierre Lurton」という彼自身の名を冠したワインを造っています。
- Créac (Crestiac) という丘陵地は、Saint Emilion の南、約20kmに位置し、Saint Emilion から続く岩盤が地中にあり Saint Emilion の南側と酷似した土壌で Melrot 種を主体としたワインを造っています。
- Saint Emilion と比較すると、より果実味が豊かで、タンニンがなめらかで、エレガントな味わいが特徴の飲みやすいスタイルのワインが多い傾向にあります。
- Saint Emilion のワインに比べて、一般的に価格が抑えられているため、より気軽に楽しむことができます。
Château Bonnet - Lurton
- 【Ownership】Jacques Lurton( グループ会長)
- 【Region or Appellation】Entre-deux-Mers > Bordeaux > France
- 【Wine Style】Red-Savory and Classic
- 【Grape/Blend】Bordeaux Blend Red Wine
- 【Blend】Cabernet Franc, Merlot, Cabernet Sauvignon
- 【Food Pairing】Beef and Venison
- 【Sweetness】Dry
- 【Alcohol ABV】13.5%
- 【Avg. Price 】¥2,000/750ml
- André Lurton のブドウ園発祥の地である Ch.Bonnet は家族の家でもあります。
- このシャトーは、現在の所有者の曽祖父である Léonce Récapet が 1897 年に買収し、1953 年以来グループの本部となっています。
- このワイナリーは201haのブドウ畑を所有しており、そのブドウ畑は Entre-deux-Mers と Bordeaux の原産地呼称地域にあります。
- この地域の典型的な白ワインは、柑橘類やエキゾチックなフルーツの香りが際立つ、表現豊かでフレッシュな味わいです。赤ワインは、しなやかで絹のような口当たりで、果実の豊かな風味が楽しめます。
- このワイナリーは、総合的な環境への配慮を日々追求しており、その具体的な取り組みを物語る養蜂、果樹園、休耕地、鶏小屋、バイオコントロール区画などが有ります。
- Château Bonnet のブドウ畑は、16世紀に裕福なリブルネ商人一家である Reynier 家によって設立されました。非常に活動的な Reynier 家は、1560年頃に「Bonnet の貴族の家」を購入し、邸宅周辺の土地の再編成政策を実施しました。彼らは多くの土地を交換し、新しい森林地帯を購入しました。
- Bonnet の邸宅周辺の風景は、約30年の間に大きく変化し、丘の斜面の森林地帯は壮大なブドウ畑に取って代わり一つのテロワールが誕生したのです。
- 1650年頃、国王の顧問であり、Guyenne 地方の財務総監で Bonnet の領主であった Pierre de Reynier は、借金と家族間の不和を残し亡くなりました。未亡人 Catherine de Moneins は、すぐに近隣の Mouchac 領主 Jean de Cadoin と再婚しますが、Pierre de Reynier の長男との間で遺産をめぐる争いが始まります。
- 30年以上にわたり、訴訟が相次ぎ Bonnet はその主要な争点の1つであった。Pierre de Reynier の子孫は、1744年の冬まで「Bonnet の貴族の家」を保持していました。
- 1744 年 12 月 17 日、 Normandie 連隊の元大尉で、Barre および Bonnet 領主の Pierre de Reynier 卿が、家督相続した財産を、国王顧問の Jean de Chillaud Desfieux に売却しました。出身の Chillaud Desfieux 家には、歴史上 Périgord 市長が何人かいました。
- フランス革命まで Bonnet の所有者であった Chillaud Desfieux 家は、広大なブドウ畑の栽培や、より快適で質素な新しい邸宅の建設などこの地所にいくつかの近代的な工夫を加えました。
- 革命期の長年の迫害によって弱体化した Jacques Justin de Chillaud は、1811年に Bonnet の土地を売却せざるを得ませんでした。その後、この土地は Saint-Domingue 島との貿易で財を成した裕福な地主 Eugène Lavignac の手に渡りました。
- 1897年、この地所は André Lurton の祖父である Léonce Récapet によって取得されました。この進取の気性に富んだ性格の持ち主は、当時、近隣の Branne の町で大規模なリキュール工場を経営していました。わずか数年で、このリキュール製造者は並外れたワイン製造者へと変貌し、シャトーの周囲の丘陵地帯は 120 haのブドウ畑に覆われました。
- これらの作業と並行して、彼は邸宅にいくつかの変更を加えました。建築の法則を無視して、周囲の田園地帯と庭園の素晴らしい眺めを提供する塔を設けました。
- 1902年には新しい貯蔵庫が建設されます。有名な造園家 Ferdinand Duprat によって設計された壮大なフランス式庭園が、建物の周辺を飾りました。
- 1953年、André Lurton が継承し、Ch.Bonnet を Vignobles Famille André Lurton の発祥地としました。
- 2019年に先代が亡くなって以来、その子供 Jacques Lurton (グループ会長) と孫 Mathilde de Caix-Lurton(ジェネラル・ディレクター)が、一族の土地を運営しています。
関連記事(LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton SE)
- ボルドー右岸の代表 Ch.Cheval Blanc1993'
- ボルドー右岸の王者 Ch.Cheval Blanc1994'
- 優雅に夜はロゼシャンパン Veuve Clicquot Ponsardin Brut Rose Réserve 1995'
- 偉大なドンペリの弟分 Moet & Chadon の flagship Champagne ”Champagne Brut Imperial”
- コングロマリットLVMH(Louis Vuitton Moët Hennessy)の解説
- Hawaii Hiloへ出発の前夜の宅飲み Ch.Qinault L'Enclos1997'
- https://longstay-wine.blogspot.com/