ボルドーGravesの特徴と格付け

2014年6月29日日曜日

Wine雑学

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出典:フランスワイン事典

ボルドーの葡萄畑の発祥の地と言われる由緒あるこの地区は、ボルドー市の南、ガロンヌ河左岸に全長約50kmの地帯に広がる。畑は、このガロンヌ河が運んだ砂利と玉石に覆われており砂利を意味する「Graves」が地名の由来である。
メドックが有名になる18世紀以前はGravesのワインが圧倒的にもてはやされ英国に輸出されるClaretの一大産地だった。

GravesのAOC

地区AOC

  1. 「Graves」
  2. 「Pessac-Leognan」村名AOC
  3. 「Sauternes」甘口白ワインの名醸地。長期熟成型で、豪華・絢爛・深遠・デリシャスのヘビー級ワイン産地。
  4. 「Barsac」甘口白ワインの名醸地。色も薄く、軽く、甘味も薄い、さっぱりしたライト級ワイン産地。
  5. 「Cerons」甘口白ワインの名醸地。ソーテルヌ・バルザックのものよりも甘さ控えめ。 

Graves Cru Classe(Gravesの格付け)

  • 「等級」を決めていない
  • 「Grand Cru Classe」又は「Cru Classe du Graves」の表示がある。

格付けシャトー

1.Ch. Haut Brion
 1855年のMedoc格付け時、唯一Premiers Crus(1級)の仲間入りした実力派。
優雅・芳醇・調和の採れた個性的なボルドーの最高級ワイン。少量しか造っていない白はモンラッシェしか比肩するものがないと言われている貴重品です。
赤:CS45%、M37%、CF18%
白:S63%、SF37%

2.Ch. la Mission Haut Brion 
 畑はオー・ブリオンとアルカション街道を挟んだ向い側にある。
オー・ブリオンの付く三つのシャトーはかっては1つのもの、今はオー・ブリオンを所有するディロン財閥が3シャートを所有している。
ワインは、オー・ブリオンが繊細さが溢れているのに対してリッチで力強い。長期熟成型、評価は格付け1級に近づいている。
品種:CS47%、M45%、CF7%、

3.Ch. La Tour Haut Brion
 骨組みこそ劣るがオー・ブリオン同じタイプで、よく似た繊細さを持っている。
品種:CS42%、M23%、CF35%

Ch. Pape Clement
 「アヴィニョンの幽閉」で有名なボルドーの大司教ゴート(後に法王クレメンテス5世になる)が、1300年に建てた別荘と言う歴史的シャトー。
しなやかで優美、個性的ブーケの長期熟成タイプ。
赤:CS60%、M40%、
白:S45%、SF45%、ミュスカ10%

4.Ch. Haut-Bailly
 ワインは、しなやかで優美。若いうちから楽しめ、寝かせても素晴らしい。
余韻が長く、繊細で卓越したワインを安定的に送り出している。
品種:CS65%、M25%、CF10%、

5.Ch. Carbonnieux
 白ワインはクラーブの辛口のニュータイプで評価も高い。赤は、白に比べ評価が低い。
白:S35%、SF65%
赤:CS60%、M30%、CF7%、マルベック2%

6.Domaine de Chevalier
 オー・ブリオンに迫るグラーブの最高峰。
赤も秀逸だが、長期熟成型で生産量の少ない白は名声高くブルゴーニューのモンラッシュに比べられる。
赤:CS65%、M30%、CF5%
白:S30%、SF70%

7.Ch. de Fieuzal
 赤は頑固な造りだが、気品を備え、熟成と共に洗練されていく逸品。
白は凝縮した古典的な造りで、今では、グラーヴの白の中でも最高値が付いている。
白:S50%、SF50%
赤:CS60%、M33%、CF4.5%、PV2.5%

8.Ch. Latour Martillac 
 この地方の大地主モンテスキュー(「法の精神」の著者)家のものであった。
白は力強く、品があり、瓶詰め後3年で魅力をたっぷり持つ。赤は色が濃く、堅牢で、長く熟成させると繊細さとしなやかさがより出てくる。
赤:CS60%、M35%、CF&PV5%
白:S50%、SF40%、ミュスラデル5%

9.Ch. Malartic-Lagraviere
 白は力強く活力に満ちていて、赤は気品に溢れ新鮮さと力強さ兼ね備え、共に、メドックのスパー・セカンドに比肩すると言われている。
白:S20%、SF80%
赤:CS40%、M50%、CF10%

10.Ch. Olivier
 三権分立の思想をこの世に提唱した「法の精神」の著者・モンテスキューが所有する畑でもあった。
白ワインは、新鮮で軽快、知名度も高い。赤も軽やかで、優雅、寿命は短い。
白:S55%、SF40%、ミュスカデル5%
赤:CS55%、M35%、CF10%

11.Ch. Smith Haut Lafite
 90年代後半から、赤・白共に、優雅さとバランスのある秀逸なワインを送りだしている。
白:SF90%、SG5%、S5%、
赤:CS55%、M35%、SF10%

12.Ch. Bouscaut
 この畑はクリュ・クラッセの中では、ガロンヌ河に最も近く、ボルドーとトゥールーズを結ぶ街道沿いにあって、石灰岩の上に砂利層の重なった水はけの良い丘にある。
1980年リュシアン・リュルトンの所有になり現在リュルトンの娘のソフィーとその夫のローランが引継いでいる。
鮮やかな復活を証明する調和のあるしなやかな白、エレガントで濃密さの加わった赤を産出している。
赤:CS35%、M50%、SF&マルベック15%
白:S70%、SF30%

13.Ch. Laville Haut-Brion 
 ワインの醸造、熟成、瓶詰はミッション・オー・ブリオンで行っているが、畑の土壌が全く違い、肥えた石の少ない土壌のため、驚くほど長持ちする力が与えられる。極めてゆっくり熟成する性格を持つワインは、オー・ブリオンやシュヴァリエと共に、グラーブを代表する古典的な白ワインである。
白:S70%、SF27%、ニュスカデル3%

14.Ch.Couhins-Lurton 
 リュルトンの造るクーアン・リュルトンは、ソーヴィニヨン・フラン100%の澄み切った造りで、洗練された軽やかな繊細なワインで、熟成と共に奥行きの備わる異色な白と評価は高い。
品種:SF100%

Sauternes Crus Classes(Sauternesの格付け)

Premier Cru Superieur(特別級)

  • Ch.d'Yquem(Sauternes村) 
丹精込めた栽培と摘果(貴腐菌の付いた粒をのみ摘み取る)、伝統的酒造り、堂々たるセラーでの熟成、それらがボルドーが誇る貴腐ワインの最高傑作を生む。
200年以上に渡ってサリュース家が管理所有。現在ルイ・ビトン・グループが株を一部所有。
品種:S80%、SF20%
セカンド・ラベルの「Y grec」はボルドーの最高級辛口白ワインとして高い評価を受けている。ACは Bordeaux Superieur  

Premiers Crus(第1級)

  • Ch.Guiraud(Sauternes村) 
若いうちからロースト香の強い味わい深い贅沢なワインである。辛口白も造っている。
品種:S65%、SF35%        
  • Ch.Climens(Barsac村)
表土が薄く、深い所まで葡萄の根が伸びない不利な立地条件の畑にありながら、それを克服。バルザック一の傑出したワインを造り出している。
優美・洗練・長寿のワインは、イケムと肩を並べると言われている。1971年からリュルトン家が経営に当っている。
品種:S100%         
  • Ch.Coutet(Barsac村)
古典的バルザックで、クりマンと競い合っている。
品種:S75%、SF23%、ミュスカデル2%       
  • Ch.Clos Haut-Peyraguey(Bommes村)  
 ワインは濃厚さも気品も申し分なく、1級の名ををはずかしめない。このワインは瓶塾に時間を掛けないとその真価を発揮しない。
品種:S83%、SF15%、ミュスカデル2%  
  • Ch.Lafaurie-Peyraguey(Bommes村)  
13世紀の城壁と17世紀の城館が残り、イケムと並び歴史を誇る。コルディエ社が所有、慎重に管理されている。
品種:S90%、SF5%、ミュスカデル5%    
  • Ch.Rabaud-Promis(Bommes村)
もとはCh. Rabaud-PromisとCh. Sigalas Rabaudは一つの畑だった。
品種:S80%、SF18%、ミュスカデル2%       
  • Ch.de Rayne Vigneau(Bommes村)
イケムの西側の小高い丘にある砂利ばかりの土地で、申し分のないテロワールを有する畑。
品種:S83%、SF15%、ミュスカデル2%      
  • Ch.Sigalas Rabaud(Bommes村) 
丹念なワイン造りで、繊細・優美でスッキリしたワインをつくっている。
極上品に仕上がることもあり、ソーテルヌの最高傑作に位置ずける人もいる。コスト・パフォーマンスの高いワインの一つ。
1995年からコルディエ社が管理している。
品種:S85%、SF15%      
  • Ch.la Tour Blanche(Bommes村) 
イケムの西側、シロン川の近くにある。1910年国有化され、現在は農業学校になっていて、いろいろな実験が行われている。
品種:S77%、SF20%、ミュスカデル3%     
  • Ch.Rieussec(Fargues村)
1984年ロートシルト家が所有し、洗練した素性のいい秀逸なワイン造りを加速させている。
品種:S89%、SF8%、ミュスカデル3%          
  • Ch.Suduiraut(Preignac村) 
畑はイケムと地続きで、申し分ない。イケムに次ぐ名声を獲得、気品・風格をそなえた最上のソーテルヌの1つ。
品種:S80%、SF20%        

Deuxiemes Crus(第2級)

  1. Ch.d'Arche(Sauternes村)              
  2. Ch.Filhot(Sauternes村)                 
  3. Ch.Lamothe(Sauternes村)              
  4. Ch.Lamothe Guignard(Sauternes村)        
  5. Ch.Broustet(Barsac村)              
  6. Ch.Caillou(Barsac村)               
  7. Ch.Doisy Daene(Barsac村)           
  8. Ch.Doisy Dubroca(Barsac村)           
  9. Ch.Doisy-Vedrines(Barsac村)           
  10. Ch.Myrat(Barsac村)                
  11. Ch.Nairac(Barsac村)                
  12. Ch.Suau(Barsac村)                
  13. Ch.de Malle(Preignac村)              
  14. Ch.Romer du Hayot(Fargues村)         

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