シャンパーニュ地方
パリの北東約150Km、平均気温約10度Cで、葡萄栽培にとっては厳しい気象条件である。
冷害や日照不足による影響は大きく、不作の年のワイン生産は4分の1になってしまうこともある。
このような厳しい気象条件がChampagne(シャンパン)のワイン法の基になっているようだ。
土壌は、シャブリと同質のキンメリジャンと呼ばれる石灰岩の混ざった泥土質で、 この水はけのいい白い土壌が、乏しい日光を反射吸収し葡萄の成育を促している。
Champagneとは白い土壌の平野を意味し、まさにChampagneの土壌は石灰岩の混ざった泥土質だ。
シャンパーニュと言えばシャンパンですが非発泡性ワインもAC「Coteaux Champenois」「Rose de Riceys」において生産されている。中世では、シャンパーニュの赤ワインの評価は高く多くの王侯貴族の葡萄園がありました。
Champagne(シャンパン)とは❓
- シャンパーニュ地方の限定された地区で栽培された葡萄で醸造する。
- ワイン法に規定された葡萄の品種で醸造する。
- ワイン法に規定された製法で醸造する。
- 発泡ワインで有ること。
上記条件を満たしていないものは「シャンパン」を名乗ることは出来ない。
Champagne(シャンパン)の種類
Champagne(シャンパン)は単一の呼称であり、同じACで年間2億本ものワインが生産されている。が、同じシャンパンでもブドウの品種や栽培地によって様々な違いが有る。
1)ブドウの収穫年の表示
ノン・ヴィンテージ・シャンパン(NV)
- 黒系(ピノ・ノワール/ムニエ/他)・白系(シャルドネ)の葡萄を使用する。
- 異なる村の葡萄を使用する。
- 異なる年のものを混醸する。
- 甘口から辛口まである。
- 年号表示無し。
ヴィンテージ・シャンパン (Millésimé)
- 特定の豊作の年のものだけで造ったもの。
- 多くはBrut(辛口)である。
- 各メーカーの特醸品である。
- 年号表示あり。
- 全出荷量の10%程度。
Blanc de Blancs (ブラン・ド・ブラン)
- 白系(シャルドネ)の葡萄だけで造ったもの。
- 軽い細かな気泡が見られ、軽い酸味の生き生きした爽やかな風味がある。
ブラン・ド・ノワール (Blanc de Noirs)
- 黒系(ピノ・ノワール&ムニエの2種)の葡萄だけで造ったもの。
- コクがあり、アルコール分が強く、余韻が長く口に残る。
ロゼ (Rosé)
- キュヴェを仕込む時に赤ワインを加えるもの。
- 赤ワイン用のブドウでロゼに仕込むもの。
- コクがあって腰が強い。
Cremant(クレマン)
- 発泡性の弱い「弱発泡性」と言われるタイプのもの。
- Extra-Brut(エクストラ・ブリュット) 極々辛口/6グラム以下
- Brut(ブリュット) 極辛口/15グラム以下
- Extra-Dry(エクストラ・ドライ) 辛口/15~20グラムまで
- Sec(セック) 中甘口/17~35グラムまで
- Demi-Sec(ドミ・セック) 中甘口/33~50グラムまで
- Doux(ドゥー) 甘口/50グラム以上
上記情報は全てワインエチケットに表示されています。
2.ブドウの品種の違い/4.糖分含有量による違い
1.ブドウの収穫年の表示
3.色と発泡性の違い
非発泡性ワインのAOC
1)Coteaux Champenois
「赤ワイン」
- ピノ・ノワールとムニエ種から造られる。
- ルビー色の色調で、果実味の酸味も柔らかく、腰の強さも持つ。
- 飲み頃3~10年。
「白ワイン」
- シャルドネで造る。
- フレッシュ&フルーティーの若飲みタイプ。
「ロゼ」
- 出来上がった白ワインに赤ワインを混ぜて造る。
- これがこの地のロゼの特徴で、他の地方のロゼの造りかたと異なる。
- 若飲みタイプ。
2)Rose de Riceys
- 色の濃い非発泡性の通常の醸造法のロゼのAC。
- 古典的な造り方で、ロゼの色と風味が得られるとすぐに果汁と固形物を分離する。
- 短い発酵によってできるワイン。
- 1~2年樽内で熟成。
- 赤い果実のアロマを持ち、フレッシュ。
- 5年以内に飲むべきワイン。
「Grand Cru」表示について
発泡酒、非発泡酒とも格付け「Grand Cru」の畑ないし村の葡萄100%で造ったものは、ラベルに「Grand Cru」と表示できる。
シャンパンにおいてはRM(レコルタン・マニピュラン)のものには表示されているが、大手メゾンは「ブレンドの技」を売物にしているので大手メゾンのラベルには殆ど見当たらない。
ぶどう栽培地と特徴
シャンパーニュのブドウ栽培地は、特徴である白亜質土壌の濃淡はあるものの、ほぼ同じ地理的条件を備えている5つの区域に分けられる。
量的にも質的にも、マルヌ河の南北に拡がるシャンパーニュ北部の3つの地域が傑出している。
Montagne de Reims(北部)
主としてピノ・ノワール種の黒葡萄栽培地。
北側の斜面は酸が強く、力強さには欠けるが洗練された繊細さを持つ。
南の斜面は日照を充分捉え熟度が高くフルボディで香り高くまろやかなワインを生む。
ここには中世初期からの名醸地「アイ」がある。
Valée de la Marn(北部)
ピノ・ムニエ種の黒葡萄栽培比率が高い。
マルヌ川下流を下るにしたがって、ジャンパーニュの土壌の特徴である白亜質を含んだ石灰粘土質が希薄になるので、ブドウの品質がモンターニュ・ド・ランスに比べ少し落ちる。
Côte des Blancs(北部)
白葡萄シャルドネ種の栽培が中心。
ワインはフレッシュさを失わずゆっくりと熟成し、スケールが大きく、デリケートでエレガンスをそなえている。
この地のシャルドネだけで造られるのがBlanc de Blancs(ブラン・ド・ブラン)である。
Côte de Sezanne(南部)
ここもシャルドネ種が栽培の中心。地理的にはコート・デ・ブランの延長になる南の丘陵地帯だがCôte des Blancsのような特徴はない。
Côte des Bar(南部)
セーヌ河の上流域にあるシャンパーニュ地方の南の飛び地のような栽培地。
シャンパンと非発泡酒の赤、白、ロゼを産出する。
この地区の最南端には独立のAOC「Rose des Riceys(ロゼ・デ・リセー)」があり、ピノ・ノワール100%のロゼを造っています。
シャンパーニュのブドウ畑の格付け
Champagne地方の全ブドウ栽培地は村単位で格付けされ分類されており、その格付けによってブドウの価格が決まる。
Grands Crus 100% (最高値の100%で販売できるという意味)
Premiers Crus 90~99%
Autres Crus その他
大手メゾンのChampagneは大部分が複数の村のブドウを混ぜて造られている。
一方、RM(レコルタン・マニピュラン)は、自社畑のブドウだけでその特徴を活かしたシャンパンを造り、出生の村名を冠して販売している。
CHAMPAGNE製法
ここでは簡単な説明にとどめます。詳細は別記しています。
1)第一次醗酵
秋に仕込んだ白ワインの原酒を春にブレンドする。
2)第二次醗酵
「壜詰」そして、涼しい一定温度の地下倉庫に寝かせ壜内二次発酵を行う。
3)Remuage(ルミアージュ)
澱を取り除く作業。
4)Deogorgement(デュルジュマン)
澱が集められた壜口を瞬間的に壜口のみを凍らせ、澱の貯まった上部の氷塊を瓶内の圧力で飛び出させる除去作業。
5)Dosage(ドサージュ)
Deogorgement(デュルジュマン)時に目減りした量を古酒のワインに蔗糖とブランデーを加えたもので補う作業。この時加える物を粋な表現で「門出のリキュール」と言っている。
6)Dosageと同時にコルク栓を打ち込みミュズレ(針金製の栓押さえ)を掛け一定期間寝かせた後に出荷する。
シャンパンは通常Dosage(ドサージュ)後は壜熟しないので市販の壜を長期保存・貯蔵することはあまり意味がありません。
ラベルへの記載義務事項(AOCワイン)
出典:フランスワイン事典
- 原産地名称
- フランス産:輸出用のワインはこの表記が必要。
- 壜詰め元(生産者)名
- 壜詰め元(生産者)住所
- 容量
- アルコール度数
✳原産地統制呼称名はシャンパンに関しては義務づけられていない。
✳<Mis en bouteille a la propriete>と記載されたものは協同組合やネゴシアン。
✳<Mis en bouteille au Chateau> は、シャトーで瓶詰めされたもの。
✳ヴィンテージ及び商標ないしシャトー名は任意記載事項。
シャンパン生産者の業態
シャンパンの生産者はその業態によっれ分類されていて、ラベルにもその頭文字の表示義務がある。
NM(Negociant-Manipulateur);ネゴシャン兼醸造業者
シャンバーニュ地方では、古くから「メゾン」と言われている大手メーカーがあります。
彼らは比較的大きなブドウ畑を所有し自ら栽培に携わる。が、それ以外に多くの栽培農家からブドウやベースワイン(原酒)を仕入れて、自社の持つノウハウでシャンパンを造り自社名を名乗って販売する事が行われてきました。
RM(Recoltant-Manipulant);ブドウ栽培業者兼醸造業者
自らが醸造・瓶詰め・販売を行うブドウ栽培農家で、自社畑のブドウだけでシャンパンを造る。このワインを「ドメーヌ・シャンパン」と言う言い方もする。
RC(Recoltant-Cooperateurt);ブドウ栽培農家が自分の名前で販売するもの
一般的には、ブドウ栽培農家は、ブドウ果実や原酒を契約しているメゾンに売渡す。
しかし、栽培農家の属する協同組合で、醸造と壜詰めを行ってもらい栽培農家自身が自分の名前で販売するもの。
CM(Cooperative du Manipulation);協同組合が、醸造・壜詰め、販売を協同組合名で行うもの。
ND(Negociant Distributeur);ネゴシアン流通業者
壜詰めされた完成品を仕入れ、自社のラベルを貼り販売する。
MA(Marque-Auxiliaire);
顧客の要請で、顧客の造るラベルを貼ったブランド。
CHAPPAGNEメーカー
ボルドーではシャトー、ブルゴーニュではクリマ(畑名)、アルザスでは品種を抜きには語れない。
そしてシャンパーニュではブランド、つまりメーカーである。
このメーカーはかなりの数にのぼるが、生産規模と質の面で名門と目されるメーカーを指して「グランド・マルク」ないし「グランド・メゾン」」と言う。
代表的メーカー一覧
星印はフランスのワインの評価本「CLASSEMENT-クラスメント」の引用です。
★★★
- Bollinger ボランジェ
- Krug クリュッグ
★★
- Salon サロン
- Veuve Cliquot Ponsard ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン
- Pol Roge ポール・ロジェ
- Billecart-Salmon ビカール・サルモン
- de Sousa ド・スーサ
- Deutz ドゥーツ
- Egly Ouriet エグリ・ウーリエ
- Jacques Selosse ジャックス・セロス
- Joseph Perrier ジョセフ・ペリエ
★
Henriot アンリオ
Moet Chandon モエ・シャンドン
Taittinger テタンジュエ
Pommery ポメリー
Alfred Gratien アルフレッド・グラティアン Charles Heidsick シャルル・エードシック
Duval-Leroy デュヴァル・ルロワ
Gatinois ガティノワ
Lamson ランソン
Laurent-Perrier ローラン・ペリエ
Ruinart ルイナール
G.H.Mumm マム
Perie Jouet ペリエ・ジュエ
Paul Bara ポール・バラ
Champagneの葡萄品種
シャンパーニュ地方の過酷な気象条件と土壌にあった下記の3品種が栽培され、シャンパンが造られている。この3品種の赤と白の葡萄を混ぜて造る点にシャンパンの特色がある。
赤(黒色系)の葡萄品種
- 「ピノ・ノワール」と「ピノ・ムニエ」
- 赤(黒色系)の葡萄品種も圧搾し果皮を取り除き果汁だけで仕込めば白ワインになる。
- 黒色系ブドウと白色系ブドウの混醸比率は一般的に6対4ないしは7対3くらいである。が、メーカーによる違い、それぞれの葡萄の出来によっても違います。
- 赤(黒色系)の葡萄品種はボディーを整え、味に厚みと豊かさ、ふくよかさを与える。
- 赤(黒色系)の比率が高いとコクのあるしっかりしたものになる。
- ムニエを使用するものは量産タイプに多い。
- 黒葡萄だけを使うものをBlanc de Noir(ブラン・ド・ノワール)。ラベルに表示義務がある。
白(白色系)の葡萄品種
- 「シャルドネ」。
- 白色系の葡萄品種は爽やかな切れを与え白色系の比率が高いと繊細でエレガントなものになる。
- 白葡萄だけを使うものをBlanc de Blanc(ブラン・ド・ブラン)。ラベルに表示義務がある。
こぼれ話
シャンパーニュは地下貯蔵庫(カーヴ)で有名ですが、それらはブドウ畑の下層の石灰岩を
深さ10m~50m掘り下げたところに有ります。
カーヴの中は光も音も届かず、年間を通して8~12度の気温で湿度も一定でワインの熟成にはうってつけの条件を備えている。
この地方の中心地ランスとエペルネイの地下のカーヴは、端から端まで共に300km以上の長さがあり膨大なワインが熟成の時を過ごしている。
大手メゾンの中には、数10キロに及ぶものもありカーヴの中を電動車が走っています。
ランスの地下には古代ローマ時代に道路や町の建設のために使ったチョークの採石場の跡をそのまま貯蔵庫として使い歴史的記念物に指定されている物もある。
また、ゴシック建築の傑作で世界遺産にも登録されているノートルダム大聖堂はランスにあります。
Champagne 以外の発泡性ワイン
- Champagne 地方以外の発泡性ワインは、Cremant(クレマン)、Vin Moussoux(ヴァン・ムスー)、Vin Effervescent(ヴァン・エフェルヴサン)などと様々な呼び名が付けられている。
- ラングドック地方では伝統的にBlanquette(ブランケット)と呼ばれる。この名はモーザック種の葉を覆う柔らかな綿毛に由来すると言う。
- Limoux の発泡性ワインは、地元の伝説によると、1531年、リムーの町の程近い、ベネディクト派のSt-Hilaire(サン・ティレール)修道院のカーヴで、コルクで閉めた瓶の中でワインが発酵し、泡だっていることを修道士が偶然発見したと言う。
- シャンパーニュのドン・ペリニオン師の伝説よりも1世紀も早い発見であることから、「世界最古の発泡性ワイン」と言われている。
- フランス以外の生産国でも発泡性ワインは造られています。有名な物ではイタリアの Spumante、スペインの CAVA、その他の国の者は Sparkling(泡)と言われています。
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