悪質ワイン投資ファンド犯罪に巻込まれない知恵。

2021年2月20日土曜日

Wine雑学

t f B! P L

ワイン投資ファンドは世界中に存在しており、損失や破綻をしたファンドもありますが、今も着々と利益を上げています。そのため「ワインファンド=詐欺」のような図式ではないことは認識したいです。


Liv-ex Fine Wine 100という高級ワインの売買価格を指数化したグラフを見ても、2014年7月の234ポイントが2017年7月に304ポイントとなり、3年間で30%も上がっています。ワイン投資ファンドは銘柄を厳選したり、投資時期をずらすことでさらに利益は増えるでしょう。

「ワインファンド=詐欺」の図式を作った悪例。

2019年に起きたヴァンネット(VIN-NET)による投資詐欺事件 
2001年より国内大手のワインファンドだったヴァンネット(VIN-NET)では、ワイン投資を「優れた銘柄選定で値上がりが期待できる、中国人の爆買いで価格が上昇中、ユーロ建てのために円安が追い風」と説明してきました。

有名な資産運用の専門家や著名人にも推奨されながら、ヴァンネットの「年7~16%の含み益」という実績が知れ渡ると、資金が次々と集まります。投資家を集めたワインパーティーも開かれて、至福のひとときを過ごせました。

しかし、ヴァンネットの実態はずさんでした。買い付けは最初の1~2年のみしか実施しておらず、中国の不況が始まってワイン特需が陰り、ユーロの急落で為替変動リスクも直撃します。
その結果、あとはあらゆる数字を不正操作し続けて、損失を出しても、出資者にはワインファンドが順調であるように報告し、2016年に自転車操業の資金が底を突いたところで破綻を申し出ました。

ヴァンネットの破産時の出資者は523名、還ってきていない出資金の総額は当初36億7372万1900円でしたが、上の写真にある2018年7月の「最後配当の御通知」によると、債権総額は45億6477万7029円に増えていました。

それに対してヴァンネットに残っていた現金やワインなどの資産は1億787万8903円です。わずか2.3%しか残されておらず、配当見込額では手数料や配当率が再計算されるため、1.6%しか戻ってきません。

当然、怒り心頭の出資者らは弁護士を雇い、4人の経営陣に対する民事訴訟を起こそうとしますが、代表の高橋淳氏が「すべて私1人の責任である」旨を述べたあと、2017年に名目上は病死しました。

結果、他の経営陣も「私も高橋氏に騙された」という構図ができあがり、出資者からは「高橋氏が消されては立証は難しい」という声が集まって、2018年10月に本件はほぼ終了しています。

過去の悪質な投資ファンド

悪質な投資ファンドが破綻した事例では、2008年にエビ養殖ファンドのワールドオーシャンファームが負債額850億円、2011年に和牛ファンドの安愚楽牧場が負債額4330億円など、数万人以上が損失を被っています。

今回のヴァンネットの破綻は規模としては小さいですが、1人あたり平均700万円の損失を考えると、個人の人生設計を狂わせるほどの事件であり、これは投資ではなく「犯罪に巻き込まれた」と捉えたいです。

まとめ

ファンドそのものを詐欺犯罪と決めつけるのは少し危険です。優良なファンドは数多く存在します。
とは言っても事前に犯罪性を見極めるのは難しいものです。しかし、犯罪に巻込まれない為には見極める力が必要です。

唯一のポイントは森羅万象、世に存在するものは有限だということです。そのファンドを構成する要因の1つにでも有限になる確率の高いものが含まれていれば手を出さないことです。
確かに絶対は有りませんが限りなく絶対に近いものは存在します。

ページビューの合計

Translate(翻譯)

台北の日貨専門店 瑞瑞

記事検索

自己紹介

自分の写真
趣味として、Wineや台湾の紹介ブログを書いたり、台湾では大阪の食文化を紹介しながら「話せる日本語」を教えています。 30代前半で起業、60で引退、現在は大阪、南国台湾を往復しながらフリーランスな生活をしています。

QooQ