ふたつのPichon、Pichon LalandeとPichon Baron #よもやま 

2017年7月20日木曜日

Wine雑学

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17世紀まで遡ると、Pichon LalandePichon Baronは一つのシャトーでした。1850年、当時の当主Baron Joseph de  Longueville氏は相続のためにシャトーを5人の子供たちに分割。その結果、兄弟はPichon Baronを、姉妹はPichon Lalandeを受け継ぎました。姉妹が相続したPichon Lalandeの方は、滑らかな女性的なワインを男兄弟が相続したPichon Baronの方はがっちりとした、壮大で厚みのある、ポイヤックらしい男性的なワインが造られました。

Pichon (Longueville Comtesse de)Lalande

【大好き印】★★★
【種類・格付けAOCワイン / Chateau Wine / Medoc Seconds Cru Classe(第2級) 
        格付け1級シャトーに肩を並べる「スーパーセカンド」 
【地 域】Bordeaux
【地 区】Medoc
【村 名】Pauillac 
【所有者】2007年よりルゾー家所有(Louis Roederer社のオーナー)
栽培面積・作付比率75ha 45/CS  12/CF  35/ME  8/PV 
【ETC.】シャトーのテラスに立つと、目の前にはジロンド河とシャトー・ラトゥールの塔が見え、一面のブドウ畑はサン・ジュリアン村まで続いています。まさにポイヤックらしい力強く深みのある男性的な雰囲気と、隣接するサン・ジュリアンのエレガントさやしなやかさが共存するピション・ラランドの味わいそのものの景観です。
メドック格付け第1級「シャトー・ラトゥール」と、格付け2級の「シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン」の間に位置します。
特 徴
今日のシャトーの名声築いたのは、1978年に父からこのシャトーを引き継いだランクサン夫人。ステンレス発酵槽の新設、樽貯蔵室の拡充、テイスティングルームの新設などを行い、品質の向上を図りました。
2007年からルイ・ロデレールのオーナー、ルゾー家の所有となっており、ビオディナミ農法を取り入れたり、カベルネの比率を上げたりとよりエレガントなスタイルにシフトしています。また、2012年にモンローズで活躍した若き醸造家ニコラ・グルミノー氏がワインメーカーに就任し、 醸造所のリノベーションを実施。パーセル(区画)ごとの醸造をより厳密に行うことで、より緻密なスタイルに変化させています。

一般的にポイヤックのシャトーは、威風堂々として筋骨逞しい男性的なスタイルのワインが主流ですが、ピション・ラランドのスタイルはポイヤックの中で最も華やかで優美そのもの。「アタックはあくまでデリケートに。しかし中間から一気に広がってくる圧倒的な果実味、そしてフィニッシュには遠慮しない。」をモットーに掲げ、エレガンスと力強さを兼備するそのしなやかなスタイルは、「ポイヤックの貴婦人」として一目置かれています。
1990年代まではポイヤックの中でも特にメルロの比率が高く、メルロ由来の丸みのあるタンニンが特徴でしたが、徐々にカベルネ・ソーヴィ二ヨンの比率が増え、2013年にはシャトー史上初めてカベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られました。スーパセカンドとして確固たる地位を築いた今でも、現状に満足することなく常に進化を続ける、今後も目が離せない注目のシャトーです。

Ch.Pichon Longueville Baron(Baron de Pichon Longueville)

【大好き印】★★★
【種類・格付けAOCワイン / Chateau Wine / Medoc Seconds Cru Classe(第2級) 
        格付け1級シャトーに肩を並べる「スーパーセカンド」 
【地 域】Bordeaux
【地 区】Medoc
【村 名】Pauillac 
【所有者】アクサ・ミレジム社  Lynch BagesのJ.M.Cazes氏が運営に当たっている。
栽培面積・作付比率73ha  60/CS  4/CF  35/ME  1/PV 
【ETC.】畑はジロンド川の真南に面し、サン・ジュリアンとポイヤックの境目付近にあり
ラトゥールやレオヴィル・ラスカーズ、レオヴィル・ポワフェレと隣接する素晴らしい場所に位置しています。好敵手のPichon Longueville  Comtesse de Lalandeとは街道を挟んで並んでいます。
特 徴
コンテス・ド・ラランドが女性的と形容されるのに対し、ロングヴィル・バロンは一般的には男性的と表現されています。が、熟成を経て女性的なエレガントな姿へ変貌する様には驚かされるものがあります。一時低迷していた名声をアクサ・ミレジム社が買収し、建て直しました。その複雑緻密、かつ力強い酒質によってスーパーセカンドの一翼を成しています。

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趣味として、Wineや台湾の紹介ブログを書いたり、台湾では大阪の食文化を紹介しながら「話せる日本語」を教えています。 30代前半で起業、60で引退、現在は大阪、南国台湾を往復しながらフリーランスな生活をしています。

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