世界最高峰のワイン『Romanee-Conti』と『Ch.Petrus』
(1)共通点
- 産地がフランス。
- 赤ワイン。
- 自社畑を持つワイナリー。
- 収量を極端に減らすことで品質の高いブドウにし、より良いワインを生産することを目的としている。
- 「Romanee-Conti」は、年間生産量、平均7,000本。
- 「Ch.Petrus」は年間生産量、平均4,000万本程度。
(2)生産地と品種の違い。
「Romanee-Conti」
- ブルゴーニュ地方にあるため大陸性気候。
- 冷涼な地域である上にシャルドネが育ちやすいようなミネラリティーのある土壌をしている。
- そのため、カベルネソーヴィニョンのような、どっしりとした黒ブドウは高品質なものは育ちにくく高級品種であるピノノワールが育ちやすい。
- ロマネコンティもピノノワールだけで造られている。
「Ch.Petrus」
- ボルドーのドルドーニュ川の右岸にあり、粘土質系の土壌をしているためにメルローが中心となり海洋性気候で温暖なためピノノワールなどは育ちにくくカベルネ系で良いものが生まれます。
- メルロに少量のカベルネフランをアサンブラージュしていますので単一品種ではない。
(3)味わい
「Romanee-Conti」
- 外観の色合いは淡く、スミレやハーブなど、シャープでミネラル感の強い香りが特徴。
- 味わいはエレガントながら筋肉質、タンニンや雑味なども少なく、まさに透き通った味わいの高級ワインという感じ。
- 爽やかでフレッシュながらも、濃厚さや奥行きがあり余韻も長いのが特徴。
「Ch.Petrus」
- 外観の色は非常に濃く、濃い紫色。(厚みもあり、飲む前から濃厚であるということが伺い知れます。)
- 熟成すると、トリュフや土、なめし革のような独特の濃厚な香りが漂います。
- 飲み口は優しく、非常にまろやか。濃厚さがありながらも、メルローの持つしなやかなさは失われておらず、絶妙なバランス感を楽しむことができる。
- ジャムを思わせる圧倒的な存在感もポイントです。
(4)栽培法の違い
「Romanee-Conti」
- 昔ながらの伝統製法を一切変えていません。バイオダイナミクスと呼ばれる、月の満ち欠けなどによって変化させる超オーガニック農法を取り入れています。
- 畑を耕すのにも馬を使い、有機肥料以外は一切使わないという徹底ぶりです。
- 畑造りにはこだわっていますが、粘度が露出している独特の土壌をしており、この土壌を活かした栽培が行われています。
- やや近代的な方法で畑を管理しており、グリーンハーベストという夏場に行うブドウの房周りの適葉が有名です。
- 健全なブドウを安定的に収穫するため、細心の注意を払っているわけです。
(5)醸造法の違い
「Romanee-Conti」- ブルゴーニュの高級ワイン生産者たちの多くは、伝統的な方法でワインを醸造している。ロマネコンティも同様に専用の木桶で醸造されています。
- ピジャージュと呼ばれる櫂入れ作業は根気も必要な、桶に入ってしまったら人命すら危ない作業ですが、これもかたくなに守ります。
- 発酵温度は32℃と高めであり、新樽を100%使用します。
「Ch.Petrus」
- 1969年よりセメントタンクの中での発酵が行われています。
- 発酵温度は30℃で、2〜3週間ほどの期間行われます。
- タンクの中でのマロラクティック発酵、そして新樽(50%〜100%)で熟成させます。
- また、コラージュを卵白で行いますが、濾過は一切しません。
(6)価格
「Romanee-Conti」の方が高値で取引されます。それは、より少ない生産量であったり、「Romanee-Conti」という名が大きな原因でしょう。しかし、味わいなどを考えると、どちらに軍配が上がるということでは無く、好みの問題ということになります。
エレガントな「Romanee-Conti」、優しさと強さを備え持つ完璧に近い「Ch.Petrus」。
その時々の気分に応じて飲み分けることが、最も賢い方法でしょう。
そして、最後に共通するところは料理などをいただかず、そのままワインだけで楽しむレベルのものであるというところです。
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