- 唯一1855年の格付けでMedoc以外から格付け第1級に選ばれたシャトーで有名です。
- Medoc が有名になる18世紀以前は、Graves Pessac-Leognan のワインが圧倒的にもてはやされ英国に輸出される Claret の一大産地だった。
Wine étiquette
- ボリューム 軽□□□□□□□□□□■□□重
- タンニン 控□□□□□□□□□■□□□渋
- 甘み 辛□□■□□□□□□□□□□甘
- 酸味 弱□□□□□□□□□□■□□強
- 香りは割と果実感が主体。 華やかで分かりやすい香り。 とても濃密でパワフル、穏やかで旨味に溢れた味わい。 タンニンは豊富ながらも、緻密に溶け込んでおり、非常に質感が良い。 ボリュームは素晴らしく、ゆっくりと口の中に広がっていく。 とてもエレガント。
Profile
Château Haut Brion
- 【Ownership】Domaine Clarence Dillon
- 【Management】Jean-Bernard Delmas
- 【Region or Appellation】Pessac-Leognan > Graves > Bordeaux > France
- 【Classification】1er Grand Cru Classé
- 【Wine Style】Red-Savory and Classic
- 【Grape/Blend】Bordeaux Blend Red Wine
- 【Blend】Cabernet Sauvignon, Merlot, Cabernet Franc
- 【Food Pairing】Beef and Venison
- 【Sweetness】Dry
- 【Maturation】French Oaked
- 【Alcohol ABV】12.5 - 14.5%
- 【Avg. Price 】¥95,000/750ml
Winery
- Château Haut-Brion は、Bordeaux 五大シャトーの中で最も歴史が古く、世界で最も有名なワインの一つです。Bordeaux 市の南にある Pessac-Léognan 地区に位置しており、他の五大シャトーが全て Medoc 地区にあるのに対し、Haut Brion はかなり離れた場所にあります。Lafite Rothschild, Mouton Rothschild, Latour 全て Pauillac にあり、Château Margaux は、その名の通り Margaux にあります。
- 畑は Bordeaux の郊外、 Graves 地方の北部に位置しています。現在は建物や道路が次第に広がり、取り囲まれています。1980年代初頭に Haut Brion のオーナーが購入した La Mission Haut-Brion に隣接しています。
- ブドウ畑は全部で51haあり、その大部分は、Merlot, Cabernet Sauvignon, Cabernet Franc, Petit Verdot が合わせて48haを占めています。残りの3haに白ワイン用の Sauvignon Blanc と Sémillon が植えられています。平均樹齢は36年、平均年間生産量は14.000~18.000ケースです。
- Haut-Brion の cuvée は、Medoc のワインに比べて Merlot が多く使われる傾向があり、左岸のワインよりもまろやかで柔らかい口当たりが特徴です。これは、畑の植栽率にも表れています。シャトーでは、このワインを「焦げた有機物のような」な香りを持つと表現しています。
- 2007年から、このシャトーのセカンドワインは La Clarence de Haut-Brion という名前になりました。
- Haut-Brion が格付けシャトーの中で珍しいのは、Haut-Brion を冠した白ワインも造っている点です。これは Graves や Pessac-Léognan 地区のシャトーでは珍しいことではありません。これらの地域では赤ワインと白ワインの両方を造るのが一般的です。英語圏の人々の間では、この白ワインは Haut-Brion blanc と呼ばれています。
- このvineyards は、1530年代に Pontac family によって開かれ、その後の何世紀かで所有者が何度か変わっています。
- 歴史的な記録によると、イギリスの Charles 2世やアメリカの Thomas Jefferson も愛飲していました。また、有名なロンドンの日記作家 Samuel Pepys もこのワインのファンでした。
- このシャトーは、フランス文化を愛するアメリカ人 Clarence Dillon によって1935年に取得され、それ以来、 Dillon 家が管理しています。 Dillon 家は、 La Mission Haut-Brion 以外にも、いくつかの Bordeaux のシャトーを所有しています。その中で最も有名なのは、 Saint-Emilion Grand Cru の Château Quintus です。以前は Château Tertre-Daugay として知られていました。
- 1975年、Douglas Dillon の娘 Joan Dillon がこの会社の代表取締役となり積極的に改革が行われます。
- 1975年のヴィンテージから再び、1966年以前に備わっていた、本来の土っぽい豊かさと凝縮味を取り戻した。セカンドラベル Le.Bahans du Chateau Haut Brion へまわされるブドウの量が増やされ Haut Brion の性格が改善された。
- セカンドラベル Bahans du Chateau Haut Brion も質的向上をとげ、Ch.Latour の Les Forts de Latour とともに Bordeaux 最高のセカンド・ワインといわれている。
- Jean Delmas に対し、このシャトーを運営する全権限が与えられた。彼はフランスにおける最も才能のある知識豊かなワインの造り手であり管理者の一人である。最新技術を集結したクローン選別についての研究で彼の右に出る者はいない。
- 1980年代に収穫が豊かになると、Jean Delmas は Pomerol の Château Pétrusの Moueix 同様、ブドウの房を切り取ることで収穫制限した。この方法により優れた凝縮味と驚異的な質を備えたワインになり、最高のヴィンテージにおいては、このワインは30年かそれ以上熟成を続ける能力を持つようになった。他のいかなる第一級シャトーのワインよりも飲み頃の期間が長いものになっている。
- 収穫は手作業でおこなわれ、温度調節されたステンレス鋼の発酵槽で行われる。マストの温度によって、コンピューター制御でポンピング・オーバーし、平均温度を30℃に温度調節する。熟成は、新しいオーク樽で22ヶ月間おこない、新鮮な卵白で清澄処理される。
- Delmas 家は、Ch.Haut Brion においての歴史と深く結びついています。特に、Jean-Bernard Delmas 氏は、1961年から2004年まで総支配人を務め、その手腕で Ch.Haut Brion の品質向上に大きく貢献したことで知られています。彼の息子 Jean-Philippe Delmas 氏も、現在 Ch.Haut Brion が所有する Domaine Clarence Dillon の副総支配人を務めています。
- Joan Dillon は最初の夫、 Luxembourg の Charles 皇太子が亡くなった後、1978年に Mouchy 公爵と再婚している。
Last updated 14-Feb-2023
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Wine 雑学
Bordeaux Wine
ボルドーワイン
ボルドーの特有の制度 Chateau system
- ボルドーはフランスのAOCワインの約4分の1に当たる膨大な量のワインを産出しています。また質においても並酒から最高級ワインに至るまで有る幅広く多彩な銘醸地域であります。
- 1855年、ナポレオン3世によって、この年に開催されるパリ万博の目玉商品として赤ワインは Medoc 地区のものが61選ばれ1級から5級までのランク付けがされた。唯一の例外はグラーブの「オー・ブリオン」がメドック以外から1級に格付けされています。白ワインはソーテルヌのものが26選ばれています。
- 水はけのよい砂礫層(小石、砂、砂利の混合土)の土壌は主要品種であるカベルネ・ソーヴィニヨン種に最適です。これに多くはメルロ種を配し、長期保存の可能な、コシのある、しっかりした赤ワインを生み出しています。
- AOCとは Appellation d'Origine Controlee (原産地統制呼称制度) の略。
- フランスの伝統的なワイン産地には、使っている葡萄品種や栽培方法、醸造方法などにそれぞれ固有のスタイルがあり、そのような産地の個性を守るための法的な規制です。
- 1935年にフランスで制定され、INAO(国立原産地名称研究所)が管理をしています。
- AOCが正確な表現で、「AC」は、「AOC」の表現が何度も続く場合に簡略化して言う場合。
- 原産地とあわせて言う場合に「AC」を使う。 AC.Bourgogne の Bourgogneが「AOC」の「O」に当たる原産地名となります。
ボルドーの特有の制度 Chateau system
- ボルドーの特有の制度として「シャトー名をラベルに表示」したワインを市場に出すための条件を決めた制度です。
- ボルドーワインは「Chateau Wine」と「Generic Wine」に分けられる。
- シャトー名をラベルに表示できる条件。畑や醸造所の設備などへの条件はありません。
- 自己の葡萄畑で栽培した葡萄のみを使用する
- 自分の醸造所でワインに仕込む
- 自分のところで樽貯蔵する
- 自分のところで瓶詰めを行う
- Chateau Wine の中でも常に高品質ワインを造っているシャトーには公的「格付け」がなされておりラベルには「Cru Classe」と表示し区別している。
- シャトー名を表示できないので、地域・地区・村のAOCの名前が大きく表示される。
- ボルドーの大手酒商(メーカーやネゴシアン)が、その地区や村の葡萄や樽酒を買い集め、混醸したワインを言う。 当然ながら他の地区や他の村の葡萄や酒を混ぜることは出来ません。
- ワインはその地区や村の性格を反映し、AOCの規定に従った一定の水準以上のものでなければならない。
- ラベル表示はAOCにのっとって3種類に分けられる。
- ボルドー全域のもの「Bordeaux」、地区のもの「Medocや Graves・・・・」、「MargauxやSt-Emilionなど」村名表記されたものは、セミ・ゼネリックとワンランク上の呼び方をする。
Bordeaux 全格付け
1855年のパリ万国博覧会開催に際し、ナポレオン3世の要請を受けて制定されたフランスのBordeaux・Medoc 地区の格付け。世界的にも有名なこの格付けは160年以上経つ現在でもワイン市場に大きな影響力を持ち、ワインラヴァーにとっても大切な指標となっています。
Boedeaux には四つの地区にそれぞれ独自の格付けがあり、現在、総生産量の約5%を占める Bordeaux ワインが格付けにランクインしています。
Medoc メドック格付け
Medoc 格付けは、1855年開催のパリ万国博覧会の展示品の一つとして、時の皇帝ナポレオン3世の要請を受け、Bordeaux 商工会議所によって作成されました。
建前的には Gironde 県内すべてのシャトーを対象としたものですが、作成したのが Bordeaux 商工会議所のため、Libourne 商工会議所が管轄する Dordogne 川右岸の Saint-Émilion や Pomerol のシャトーは考慮されず、赤ワインの格付けは Medoc のシャトーに限定されました。
ただし、当時から名声の高かった Ch.Haut Brion が唯一の例外として Graves から選定されています。なお、格付けは試飲によって決められたものではなく、過去数十年にわたる取引価格をもとに決定されました。
Medoc の格付けは第1級から第5級までの5等級あり、1855年4月18日に発表された当初は合計57のシャトーが選ばれました。その後相続による分割や他のシャトーへの吸収などを経て、現在、第1級に5シャトー、第2級に14シャトー、第3級に14シャトー、第4級に10シャトー、第5級に18シャトーの合計61シャトーが格付け表に名を連ねています。
特筆すべきは1855年の制定以来1度だけ見直しが行われ、1973年に第2級の Chateau Mouton-Rothschild が第1級に昇格したことです。しかし、それ以降見直しは一切行われず、今後も行われる様子はありません。
Sauternes ソーテルヌ格付け
1855年のパリ万国博覧会で白ワインも格付けされています。対象は Sauternes と Balzac 地区の甘口ワインとされました。
格付け等級は三つに分かれており、別格扱いの最高クラス Premier Cru Supérieur にChâteau d'Yquem 、第1級の Premier Cru に11シャトー、第2級の Deuxième Cruに15シャトーの合計27シャトーが格付けされています。
Graves グラーヴ格付け
Medoc の格付け制定から100年近く後の1953年に発表され、1959年に承認されています。
Graves の格付けに階級分けはなく、1987年に制定されたAOC.Pessac-Leognan に属するシャトーから赤ワインが7シャトー、白ワインが3シャトー、赤ワインと白ワインの両方で選出されたのが6シャトーの合計16シャトーが選ばれています。
もちろん、Medoc の格付けで第1級に選ばれた赤ワインの Ch.Haut Brion もこの格付けに入っています。しかし、白ワインは生産量があまりにも少なくオーナーが辞退したため、格付けに入っていません。
Saint-Émilion サン・テミリオン格付け
Saint-Émilion の格付けもグラーヴの格付け同様、1855年のメドックの格付けの約100年後に制定されました。
生産者主導で行われる Saint-Émilion の格付けは10年ごとに見直しが行われます。これまでに1969年、1986年、1996年、2006年、2012年の6回にわたって改訂されました。
格付けは3階級にわかれたいます。 第1特別級 Premier Grand Cru Classé A・Premier Grand Cru Classé B と特別級 Grand Cru Classé です。10年ごとに見直しが行われますので格付けに興味を示さないシャトーや格付け辞退などが有り現在は約80シャトーが格付けに参加しています。
Cru Bourgeois クリュ・ブルジョワ
Cru Bourgeois の格付けは、常に問題提起され続け紆余曲折を繰り返して今日に至っており理解が難しいです。
1855年の Medoc 格付けに漏れたシャトーを対象として、1932年に Bordeaux 商工会議所と Gironde 県農業会議所の権威のもと発表されたのが Cru Bourgeois の格付けの始まりで、当初は444のシャトーが選定されました。Medoc 格付けの次のクラスとしての位置付けでしたが、省庁の認可を受けたものではありませんでした。
2000年の農務省の省令で、Cru Bourgeois の上位階級として Cru Bourgeois Supérieur と最高位にあたる Cru Bourgeois Exceptionnel が設定され、これに基づき2003年に公式の格付けが初めて発表されましたが、審査の公正さに異論が噴出し2007年、Bordeaux の行政控訴院はこの格付けを無効とする判決を下しました。
その後、シャトーのオーナーらは「Medoc Cru Bourgeois 連盟」を作り、格付けではなく、一つの認定としてクリュ・ブルジョワの名称復活を発表。
メドックの八つのAOC「Médoc、Haut-Médoc、Listrac、Moulis、Margaux、Saint-Julien、Pauillac、Saint-Estèphe」による官能検査の合格、第三者機関の訪問調査受け入れなど諸条件を満たした場合にのみ、Cru Bourgeois の認定を与えることになりました。
審査は毎年行われ、2年前のヴィンテージの認定シャトーが、毎年9月に発表されることになりました。
しかしながら無効となった上位階級のない格付けを差別化を求める有力シャトーの多くが参加を見送り Cru Bourgeois 連盟は、「2020年までに3段階からなる新たな格付制度を導入する」と2016年に発表。
2018年ヴィンテージから再び三つの等級に分かれる格付けになりました。上位から Cru Bourgeois Exceptionnel、Cru Bourgeois Supérieur、Cru Bourgeois となりました。2020年度の格付けには、 Cru Bourgeois Exceptionnel 14シャトー、Cru Bourgeois Supérieur 56シャトー、Cru Bourgeois 179シャトーの合計249シャトーが選出されています。
Bordeaux Grands Crus Classés of 1855
- 1級Chateau Lafite-Rothschild・PauillacChateau Latour・PauillacChateau Margaux・MargauxChateau Mouton-Rothschild・PauillacChateau Haut Brion・Pessac-Leognan
- 2級Chateau Rauzan-Segla・MargauxChateau Rauzan-Gassies・MargauxChateau Leoville-Las Cases・Saint-JulienChateau Leoville-Poyferre・Saint-JulienChateau Leoville-Barton・Saint-JulienChateau Durfort-Vivens・MargauxChateau Gruaud-Larose・Saint-JulienChateau Lascombes・MargauxChateau Brane-Cantenac・Cantenac(Margaux)Chateau Pichon-Longueville Baron・PauillacChateau-Pichon Longueville Comtesse de Lalande・PauillacChateau Ducru-Beaucaillou・Saint-JulienChateau Cos d'Estournel・Saint-EstepheChateau Montrose・Saint-Estephe
- 3級Chateau Kirwan・Cantenac(Margaux)Chateau d'Issan・Cantenac(Margaux)Chateau Lagrange・Saint-JulienChateau Langoa-Barton・Saint-JulienChateau Giscours・Labarde(Margaux)Chateau Malescot St-Exupery・MargauxChateau Boyd-Cantenac・Cantenac(Margaux)Chateau Cantenac-Brown・Cantenac(Margaux)Chateau Palmer・Cantenac(Margaux)Chateau La Lagune・Ludon(Haut-Medoc)Chateau desmirail・Cantenac(Margaux)Chateau Calon-Segur・Saint-EstepheChateau Ferriere・MargauxChateau Marquis d'Alesme-Becker・Margaux
- 4級Chateau Saint-Pierre・Saint-JulienChateau Talbot・Saint-JulienChateau Branaire-Ducru・Saint-JulienChateau Duhart-Milon-Rothschild・PauillacChateau Pouget・Cantenac(Margaux)Chateau La Tour-Carnet・Saint-Laurent(Haut-Medoc)Chateau Lafon-Rochet・Saint-EstepheChateau Beychevelle・Saint-JulienChateau Prieure-Lichine・Cantenac(Margaux)Chateau Marquis de Terme・Margaux
- 5級Chateau Pontet-Canet・PauillacChateau Batailley・PauillacChateau Haut-Batailley・PauillacChateau Grand-Puy-Lacoste・PauillacChateau Grand-Puy-Ducassas・PauillacChateau Lynch-Bages・PauillacChateau Lynch-Moussas・PauillacChateau Dauzac・Labarde(Margaux)Chateau d'Armailhac・PauillacChateau du Tertre・Arsac(Margaux)Chateau Haut-Bages-Liberal・PauillacChateau Pedesclaux・PauillacChateau Belgrave・Saint-Laurent(Haut-Medoc)Chateau de Camensac・Saint-Laurent(Haut-Medoc)Chateau Cos-Labory・Saint-EstepheChateau Clerc-Milon・PauillacChateau Croizet-Bages・PauillacChateau Cantemerle・Macau(Haut-Medoc)