はじめに
ワインに魅せられて半世紀、ワインの持つ奥深い魅力に未だ興味が尽きません。最初はスーパーの陳列台から選択、次にボルドーもの、ボルドー格付けシャトー、ブルゴーニュワインへ、そして気に入ったシャトーもの、ブルゴーニュの気に入った醸造家のもの、スパークリングワインへと追求の旅が続いています。
国別では、フランス、イタリア、スペイン、ドイツなどのヨーロッパ諸国からアメリカやチリの新世界のもの、オーストラリア(ニュージランド)のもの、南アフリカなどのワインと遍歴を重ね、ワインの追求を通して国や生産地の歴史を知ることにも繋がりました。
著名なワイン研究家の著書は店頭に並んでいますが、私のようなワイン愛好家からみたワインの本は珍しいのでは無いでしょうか。嗜んだ数においては誰にも負けない自負があり、愛好家目線で大量に出回っているワインを整理し、先ずは、私の人生に希望を与え続けてくれている Champagneシャンパーニュについてまとめてみました。専門的な言葉をできるだけ避けたうえで名前等につきましては原語とカタカナを併記しています。
Champagne の読み方について、ワイン業界やワイン愛好家の間では、Champagne 地方の独自性と品質を尊重する意味合いを込めて「シャンパーニュ」という言葉が好んで使われています。ここでも、それに倣い原産地名称、及びワインについて「シャンパーニュ」と表記しています。
フランスワインマップ
第一部 Champagneシャンパーニュとは
Champagneシャンパーニュの呼称は、フランスの Champagne 地方で生産されたスパークリングワインのみが使用でき、以下の厳格な規定に基づいて生産されています。
- 産地は、フランスの Champagne 地方。
- 製法は、瓶内二次発酵(Champagne 方式)という伝統的な製法。
- 使用できるブドウ品種は、Chardonnay、Pinot Noir、Pinot Meunier 。
- 他に熟成期間などの細かい規定があります。
第二部 Champagneシャンパーニュ のワイン
Champagneシャンパーニュ の格付
Champagne 地方の全ブドウ栽培地は村単位で格付け分類されており、その格付けによってブドウの価格が決まる。毎年、ブドウ1kg当たりの買い上げ価格が発表されます。
Grands Crus 100% (最高値の100%で販売できる)
Premiers Crus 90~99% (最高値の90~99%で販売できる)
Autres Crus その他
(大手生産者は、自社畑以外に栽培農家と契約を交わしているので個別の価格交渉もある)
Grand Cru(グランクリュー)に指定されている村
1)Montagne de Reimsモンターニュ・ド・ランス 地区 9村
Prosecco プロセッコ
Dom Pierre は、修道院に起こるであろう悪い事態を予期していたが、なす術もなく Hautvillers 修道院はその後、大きな変化を迎えます。1789年11月に修道僧たちが追い出され、1年後の1791年3月には、修道院とその土地はすべて売られてしまいました。
Pinot Noirピノ・ノワールの主要産地で、力強く、複雑な味わいが特徴です
Ambonnayアンボネ 村
Beaumont-sur-Vesleボーモン・シュール・ヴェスル 村
Bouzyブージィ 村
Louvoisルヴォワ 村
Mailly-Champagneマイィ・シャンパーニュ 村
Puisieulxピュイジュー 村
Silleryシィルリー 村(Chardonnay の栽培でも知られています)
Verzenayヴェルズネー 村
Verzyヴェルズィ 村
2)Vallée de la Marneヴァレー・ド・ラ・マルヌ 地区 2村
Aÿ-Champagneアイ・シャンパーニュ 村
Tours-sur-Marneトゥール・シュール・マルヌ 村
3)Côte des Blancsコート・デ・ブラン 地区 6村 Chardonnayシャルドネの主要産地でミネラル豊富で、エレガントな味わいが特徴
1)Montagne de Reims 地区
Ecueilエキュイユ 村
Ludesリュード 村
Taissyタウシエール・マリィ 村
Troisトロワィ 村
Vertueilヴェルテュイユ 村
Ville-Dommangeヴィレ・マムリー 村
Villers-aux-Noeudsヴィレ・オークス・ノワィ 村
2)Vallée de la Marne 地区
Bisseuilビシー 村
Cumièresキュミエー 村
Dizyディジィ 村
Hautvillersオーヴィレ 村(ベネディクト会修道院があった村)
Mareuil-sur-Ayマレイユ・シュル・アイ 村
Pierryピエリー 村
3)Côte des Blancs 地区
Bergeres-les-Vertusベルジェール・レ・ヴェルテュ 村
Cuisシイ 村
Vertusヴェルテュ 村
★★★ Bollinger ボランジェ
★★ Pol Roge ポール・ロジェ
★★ Billecart-Salmon ビカール・サルモン
★★ Deutz ドゥーツ
★★ Joseph Perrier ジョセフ・ペリエ
★★ Salon サロン
★★ Veuve Cliquot Ponsard ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン
★ Moet Chandon モエ・シャンドン
★ Taittinger テタンジュエ
★ Pommery ポメリー
★ G.H.Mumm マム
★ Perie Jouet ペリエ・ジュエ
★ Louis Roederer ルイ・ロデレール
★ Henriot アンリオ
★ Alfred Gratien アルフレッド・グラティアン
★ Charles-Heidsick シャルル・エードシック
★ Duval-Leroy デュヴァル・ルロワ
★ Lamson ランソン
★ Laurent-Perrier ローラン・ペリエ
★ Ruinart ルイナール
RM/Récoltant-Manipulant
★★ Jacques Selosse ジャックス・セロス
★★ Egly Ouriet エグリ・ウーリエ
★★ De Sousa ド・スーサ
★ Gatinois ガティノワ
★ Paul Bara ポール・バラ
★ Larmandier-Bernier ラルマンディエ・ベルニエ
★ Cedric Bouchard セドリック・ブシャール
★ Ulysse Collin ユリス・コラン
3. 圧搾 Pressurageプレシュラージュ
シャンパーニュ地方独特の浅く広い圧搾機で、黒葡萄の皮の色が着かないように静かに搾ります。4,000kgの葡萄から、初めに最初の10樽分 約2,050Lの搾汁を採ります。これは Cuveeキュヴェ一番搾りと呼ばれ果実風味が豊で最も澄明な果汁です。その後、Premiere Tailleプルミエール・タイユと呼ばれる約500L分の搾汁を採ります。
4. 清澄 Debourbageデブルバージュ
ぶどうを圧搾して得た搾汁の不純物 Bourbesブールブを取り除きます。搾汁液に上限50mg/Lの亜硫酸を添加し、同時にベントナイトなどの沈殿剤を加えて果汁中の浮遊物を沈殿させます。一晩放置後、上澄み部分を別のタンクに移して醗酵に入ります。沈殿剤を使わない Maisonメゾンもあります。
5. 一次醗酵 Fermentation alcooliqueフェルマンタシオン・アルコーリック
通常の白ワインと同様に醗酵させます。畑ごと、葡萄品種ごとに、別々に樽やタンクで10~15日間程度醗酵させます。この醗酵・熟成過程で樽やタンク毎の味わいの個性をつかみ、その後のブレンド比率を決定します。
6. 調合 Assemblageアッサンブラージュ
翌年2月頃、最初のオリ引き後に前年あるいは前々年収穫のワインを含め Vins de Reserveヴァン・ド・レゼルヴ、いわゆる第一次醗酵で得た、年度、畑、ブドウ品種の違う数十種類に及ぶ原酒(リザーブワイン、貯蔵ワイン)を各メーカーのブランドイメージに沿って混合し、味わいを均一化させます。
この際、通常は年月を経たワインに新しいワインをブレンドするため、収穫年を表示しないNV(ノン・ヴィンテージ・シャンパン)となりますが、葡萄の出来の良い年には、その年のワインのみをブレンドして、vintage Champagneヴィンテージ・シャンパンとして収穫年を表示します。
7. 瓶詰 Tirageティラージュ
ブレンド比率が決定したら少量のシャンパン酵母と蔗糖を混ぜた液体 Liqueur de tirageリキュール・ド・ティラージュを加え瓶詰し、瓶内二次醗酵に入ります
8. 瓶内二次醗酵 Deuxieme Fermentationドゥズィエム・フェルマンタシオン
ワインは瓶内でゆっくり醗酵し、蔗糖は酵母の働きでアルコールと炭酸ガスに分解され、炭酸ガスは瓶内でワインの中に溶け込んでいきます。瓶内二次醗酵が終わると活動の終えた酵母が澱となり瓶内に残り、そのまま熟成に入ります。
9. 熟成 Vieillissement sur lieヴィエイスマン・シュル・リー
Sejour en Caveセジュール・アン・カーヴ で澱と共に熟成にはいります。澱と共に寝かせることによって、アミノ酸である澱は自己分解をはじめ、旨みをワインへ戻していきます。2年で70%、6年で100%還元されるといわれています。
こうして1~2年で微妙で繊細な泡となります。その後も、ノン・ヴィンテージで瓶詰から最低15ヶ月、ヴィンテージで3年、プレスティージで5年ほど熟成が行われ、更に独特の風味とキメ細かい泡が形成されて行きます。法的な熟成期間はノン・ヴィンテージで15ヵ月、ヴィンテージで3年とされています。
10. 動瓶 Remuageルミアージュ
第2次醗酵後、瓶の側面に沈積した澱を瓶口に集める作業です。二次醗酵で作られた澱は、5~6週間に渡り毎日、瓶を1/8ずつ回転させながら下向きに立てられ、最終的には倒立させ、瓶口に集められて行きます。
11. 澱抜き Degorgementデゴルジュマン
澱が瓶口に完全に集まったら、冷凍槽に瓶口部分のみを浸し、澱部分を凍らせ抜栓します。すると瓶中のガス圧で凍った部分だけが飛び出し澱が除去されます。
12. リキュール添加 Dosageドザージュ
澱を除去して減少した瓶内の不足分だけ、Liqueur d'expeditionリキュール・デグスペディション と呼ばれる甘みのあるリキュールを加えます。このリキュールを門出のリキュールと呼びます。リキュールは、同タイプのシャンパン原酒の古酒、蔗糖等を混ぜたもので、この時の蔗糖の量によってシャンパンのタイプが決まります。
13. 打栓 Bouchageブシャージュ
Dosage が終わったシャンパンの瓶にコルクが打たれ、圧力でコルクが飛び出さないように針金で締められます。ほとんどの場合この時点で化粧フォイルが瓶の首にすっぽりとかけられます。
14. ラベル貼り Habillageアビヤージュ
瓶にラベルが貼られ完成です。
ミネラリー: 土壌由来のミネラル感が強く感じられることがあります。
ピュア: ブドウ本来の風味がストレートに表現されます。
ドライ: 後味はすっきりとドライです。
表現例: レモン、グレープフルーツ、青リンゴ、白い花、貝殻、火打石
繊細: 繊細な果実味や酵母のニュアンスが感じられます。
ドライ: ややドライな後味です。
表現例: ライム、洋ナシ、白い花、ブリオッシュ
熟した果実: 熟したリンゴやアプリコットのような風味が感じられます。
ふくよか: ボリューム感のある味わいです。
表現例: 熟したリンゴ、アプリコット、蜂蜜、トースト
蜜のような: 蜂蜜やジャムのような甘い風味が感じられます。
なめらか: 滑らかな口当たりです。
表現例: 蜂蜜、マーマレード、熟した桃、ブリオッシュ
シロップのような: シロップやコンポートのような甘さです。
とろりとした: 口の中でとろけるようなテクスチャーです。
表現例: ドライフルーツ、キャラメル、ハチミツ漬けの果物
Blanquette de Limoux ブランケット・ド・リムー
Avizeアヴィーズ 村
Chouillyシュイィ 村
Cramantクラマン 村
Le Mesnil-sur-Ogerル・メニル・シュール・オジェ 村
Ogerオジェ 村
Oiryオワリィ 村
Premier Cruプルミエクリュー に指定されている村 全部で44村(以下、主要な村の抜粋)Chouillyシュイィ 村
Cramantクラマン 村
Le Mesnil-sur-Ogerル・メニル・シュール・オジェ 村
Ogerオジェ 村
Oiryオワリィ 村
1)Montagne de Reims 地区
Ecueilエキュイユ 村
Ludesリュード 村
Taissyタウシエール・マリィ 村
Troisトロワィ 村
Vertueilヴェルテュイユ 村
Ville-Dommangeヴィレ・マムリー 村
Villers-aux-Noeudsヴィレ・オークス・ノワィ 村
2)Vallée de la Marne 地区
Bisseuilビシー 村
Cumièresキュミエー 村
Dizyディジィ 村
Hautvillersオーヴィレ 村(ベネディクト会修道院があった村)
Mareuil-sur-Ayマレイユ・シュル・アイ 村
Pierryピエリー 村
3)Côte des Blancs 地区
Bergeres-les-Vertusベルジェール・レ・ヴェルテュ 村
Cuisシイ 村
Vertusヴェルテュ 村
Champagneシャンパーニュ 生産者の業態
Champagneシャンパーニュ の生産者はその業態によっれ分類され、ワインラベルにその頭文字の表示義務がある。
NM (Negociant-Manipulateur) Champagne 地方には、古くから Maisonメゾンと言われる大手メーカーがあります。彼らは比較的大きなブドウ畑を所有し自ら栽培にも携わるが、それ以外に多くの栽培農家からブドウやベースワイン(原酒)を仕入れて、自社の持つノウハウで Champagne を造り自社名で販売する事が行われてきました。
RM (Recoltant-Manipulant) 自らが醸造・瓶詰め・販売を行うブドウ栽培農家で、自社畑のブドウだけで Champagne を造る。このワインは Domaine Champagne とも言う。
RC (Recoltant-Cooperateurt) 一般的にブドウ栽培農家は、ブドウ果実や原酒を契約している Maison に売ります。しかし、栽培農家の属する協同組合で生産し、栽培農家自身が自分の名前で販売するもの。
R (d'un récoltant) 自社畑のブドウのみを使用して造られた、生産者の個性が強く表れた Champagne 。
CM (Cooperative du Manipulation) 協同組合が、醸造・壜詰めを行い、販売を協同組合名で行うもの。
SR (Société de Récoltants) 複数のブドウ栽培農家が共同でブドウを持ち寄り、シャンパンを生産・販売するもの。
ND (Negociant Distributeur) 壜詰めされた完成品を仕入れネゴシアンが、自社のラベルを貼り販売するもの。
MA (Marque-Auxiliaire) NM (Negociant-Manipulateur)が、生産した第三者ブランドの Champagne 。
Champagne 代表的生産者
NM/Negociant-Manipulant
★★★ Krug クリュッグ★★★ Bollinger ボランジェ
★★ Pol Roge ポール・ロジェ
★★ Billecart-Salmon ビカール・サルモン
★★ Deutz ドゥーツ
★★ Joseph Perrier ジョセフ・ペリエ
★★ Salon サロン
★★ Veuve Cliquot Ponsard ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン
★ Moet Chandon モエ・シャンドン
★ Taittinger テタンジュエ
★ Pommery ポメリー
★ G.H.Mumm マム
★ Perie Jouet ペリエ・ジュエ
★ Louis Roederer ルイ・ロデレール
★ Henriot アンリオ
★ Alfred Gratien アルフレッド・グラティアン
★ Charles-Heidsick シャルル・エードシック
★ Duval-Leroy デュヴァル・ルロワ
★ Lamson ランソン
★ Laurent-Perrier ローラン・ペリエ
★ Ruinart ルイナール
RM/Récoltant-Manipulant
★★ Jacques Selosse ジャックス・セロス
★★ Egly Ouriet エグリ・ウーリエ
★★ De Sousa ド・スーサ
★ Gatinois ガティノワ
★ Paul Bara ポール・バラ
★ Larmandier-Bernier ラルマンディエ・ベルニエ
★ Cedric Bouchard セドリック・ブシャール
★ Ulysse Collin ユリス・コラン
Champagne の製造工程
シャンパーニュと普通のワインとの大きな違いは、シャンパーニュは「瓶内二次醗酵」という二回目の醗酵過程があるところです。シャンパーニュ製法は、通常のワインと同じ方法でベースとなる泡のないワインを造りますが、その後できたワインを瓶に入れて糖分と酵母を加え2度目の醗酵を促します。
醗酵(アルコール醗酵)とは酵母の働きによって糖分を分解し、アルコールと二酸化炭素を発生させる現象です。通常のタンクや桶、樽では、醗酵したワインから発生した二酸化炭素は空気中へ放出されワインの液内には残りません。
シャンパーニュは、瓶の中という完全に密閉された環境で2度目の醗酵が行われることにより、発生した二酸化炭素の逃げ場がなくなりワインの中に溶け込みます。つまりシャンパーニュの栓を抜いたときに勢い良く出てくる泡は、ワインがアルコール醗酵を行う過程で発生した二酸化炭素なのです。
製造工程の流れ
1. 収穫 Vendangeヴァンダンジュ
通常9月中旬~10月初旬頃、手摘みによりぶどうを収穫します。畑の規模によりますが、数千人を動員するメゾンもあります。
2. 選果 Epluchageエプルシャージュ
収穫されたぶどうは畑の脇で選別され、未熟なぶどうや傷付いた粒は捨てられます。手間とコストのかかる作業ですが良いシャンパーニュ造りには欠かせません。こうして選ばれたぶどうの房は葡萄が傷まないように、短時間で圧搾所に運び、酸味・糖度をチェックします。この段階でも基準値以下のものは捨てられます。 3. 圧搾 Pressurageプレシュラージュ
シャンパーニュ地方独特の浅く広い圧搾機で、黒葡萄の皮の色が着かないように静かに搾ります。4,000kgの葡萄から、初めに最初の10樽分 約2,050Lの搾汁を採ります。これは Cuveeキュヴェ一番搾りと呼ばれ果実風味が豊で最も澄明な果汁です。その後、Premiere Tailleプルミエール・タイユと呼ばれる約500L分の搾汁を採ります。
4. 清澄 Debourbageデブルバージュ
ぶどうを圧搾して得た搾汁の不純物 Bourbesブールブを取り除きます。搾汁液に上限50mg/Lの亜硫酸を添加し、同時にベントナイトなどの沈殿剤を加えて果汁中の浮遊物を沈殿させます。一晩放置後、上澄み部分を別のタンクに移して醗酵に入ります。沈殿剤を使わない Maisonメゾンもあります。
5. 一次醗酵 Fermentation alcooliqueフェルマンタシオン・アルコーリック
通常の白ワインと同様に醗酵させます。畑ごと、葡萄品種ごとに、別々に樽やタンクで10~15日間程度醗酵させます。この醗酵・熟成過程で樽やタンク毎の味わいの個性をつかみ、その後のブレンド比率を決定します。
6. 調合 Assemblageアッサンブラージュ
翌年2月頃、最初のオリ引き後に前年あるいは前々年収穫のワインを含め Vins de Reserveヴァン・ド・レゼルヴ、いわゆる第一次醗酵で得た、年度、畑、ブドウ品種の違う数十種類に及ぶ原酒(リザーブワイン、貯蔵ワイン)を各メーカーのブランドイメージに沿って混合し、味わいを均一化させます。
この際、通常は年月を経たワインに新しいワインをブレンドするため、収穫年を表示しないNV(ノン・ヴィンテージ・シャンパン)となりますが、葡萄の出来の良い年には、その年のワインのみをブレンドして、vintage Champagneヴィンテージ・シャンパンとして収穫年を表示します。
7. 瓶詰 Tirageティラージュ
ブレンド比率が決定したら少量のシャンパン酵母と蔗糖を混ぜた液体 Liqueur de tirageリキュール・ド・ティラージュを加え瓶詰し、瓶内二次醗酵に入ります
8. 瓶内二次醗酵 Deuxieme Fermentationドゥズィエム・フェルマンタシオン
ワインは瓶内でゆっくり醗酵し、蔗糖は酵母の働きでアルコールと炭酸ガスに分解され、炭酸ガスは瓶内でワインの中に溶け込んでいきます。瓶内二次醗酵が終わると活動の終えた酵母が澱となり瓶内に残り、そのまま熟成に入ります。
9. 熟成 Vieillissement sur lieヴィエイスマン・シュル・リー
Sejour en Caveセジュール・アン・カーヴ で澱と共に熟成にはいります。澱と共に寝かせることによって、アミノ酸である澱は自己分解をはじめ、旨みをワインへ戻していきます。2年で70%、6年で100%還元されるといわれています。
こうして1~2年で微妙で繊細な泡となります。その後も、ノン・ヴィンテージで瓶詰から最低15ヶ月、ヴィンテージで3年、プレスティージで5年ほど熟成が行われ、更に独特の風味とキメ細かい泡が形成されて行きます。法的な熟成期間はノン・ヴィンテージで15ヵ月、ヴィンテージで3年とされています。
10. 動瓶 Remuageルミアージュ
第2次醗酵後、瓶の側面に沈積した澱を瓶口に集める作業です。二次醗酵で作られた澱は、5~6週間に渡り毎日、瓶を1/8ずつ回転させながら下向きに立てられ、最終的には倒立させ、瓶口に集められて行きます。
11. 澱抜き Degorgementデゴルジュマン
澱が瓶口に完全に集まったら、冷凍槽に瓶口部分のみを浸し、澱部分を凍らせ抜栓します。すると瓶中のガス圧で凍った部分だけが飛び出し澱が除去されます。
12. リキュール添加 Dosageドザージュ
澱を除去して減少した瓶内の不足分だけ、Liqueur d'expeditionリキュール・デグスペディション と呼ばれる甘みのあるリキュールを加えます。このリキュールを門出のリキュールと呼びます。リキュールは、同タイプのシャンパン原酒の古酒、蔗糖等を混ぜたもので、この時の蔗糖の量によってシャンパンのタイプが決まります。
13. 打栓 Bouchageブシャージュ
Dosage が終わったシャンパンの瓶にコルクが打たれ、圧力でコルクが飛び出さないように針金で締められます。ほとんどの場合この時点で化粧フォイルが瓶の首にすっぽりとかけられます。
14. ラベル貼り Habillageアビヤージュ
瓶にラベルが貼られ完成です。
第三部 Champagneシャンパーニュのぶどう品種
-
Pinot Noirピノ・ノワール:赤ワインによく使われる品種で、繊細な風味と複雑なアロマが特徴です。チェリーやラズベリーのような赤い果実の香り、スパイスや土っぽいニュアンスを持つものもあります。ブルゴーニュ地方のワインで特に有名です。
-
Chardonnayシャルドネ:白ワインによく使われる品種で、幅広いスタイルのワインを造ることができます。フレッシュで柑橘系の風味を持つものから、オーク樽で熟成させて複雑な風味を持つものまで、非常に多様です。ブルゴーニュ地方の白ワインやシャンパンに使われます。
-
Pinot Meunierミュニエ:シャンパーニュ地方のマルヌ県やオーブ県で広く栽培されています。シャンパーニュを造る上で重要な役割を果たすブドウ品種です。その早熟性、果実味、ボディは、シャンパーニュに独特の個性を与え、他の品種とのブレンドによって、より複雑で魅力的な味わいのシャンパーニュを生み出します。
第四部 世界の発泡性ワイン(スパークリングワイン)
世界の発泡性ワイン Sparkling wine は、その製法や産地によって多様な種類が存在し、それぞれ独特の風味や特徴を持っています。Sparkling wine の味わいは、Brut辛口からDoux甘口まで様々です。ブドウ品種や製法によって、柑橘系、リンゴ、洋ナシ、トースト、ナッツなど、様々な風味が楽しめます。
Sparkling wine は、お祝いの席だけでなく日常の食事にも合わせやすい万能ワインです。
世界の発泡性ワインの特徴
Champagneシャンパン(フランス)-
フランスの Champagne で、厳格な規定に基づいて造られる最高級のスパークリングワイン。
- 瓶内二次発酵という伝統的な製法で造られ、きめ細かい泡と複雑な風味が特徴。
- 使用できるブドウ品種や熟成期間などに細かい規定があります。
-
フランスの Champagne 地方以外の地域で造られるスパークリングワイン。
- Champagne と同様の瓶内二次発酵で造られる。
- Champagne に比べて比較的リーズナブルな価格で高品質なものが楽しめる。
- Alsace や Burgundy 等フランス各地で様々な Cremant が生産されています。
-
Languedocラングドック地方の Limouxリムー周辺で生産されるスパークリングワイン。Champagne よりも古い歴史を持ち、世界最古のスパークリングワインと言われています。
- 主にモーザックというブドウ品種から造られフレッシュでフルーティーな味わいが特徴でリンゴや洋ナシなどの香りが感じられます。シャルドネやシュナン・ブランもブレンドされることがあります。
- 瓶内二次発酵または Méthode Ancestrale(古代製法)で生産されます。古代製法は、瓶内で発酵を終わらせずに、糖分が残った状態で瓶詰めする方法です。
-
その製法と品質の高さから「イタリアのシャンパン」とも呼ばれています。
- イタリアのロンバルディア州の Franciacortaフランチャコルタ地域で生産される、高品質なスパークリングワインです。この地域のイゼオ湖周辺の丘陵地帯は、ブドウ栽培に適した気候と土壌に恵まれています。
- シャンパーニュと同様の瓶内二次発酵で造られます。
- ブドウ品種は、主にシャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ネロが使用され、これらの品種の組み合わせにより、多様なスタイルのワインが造られています。
- 厳格な規定により、最低18ヶ月以上の熟成期間が義務付けられています。これにより、きめ細やかな泡と複雑な風味が生まれます。
- きめ細やかな泡と、豊かな果実味、イースト香が特徴です。熟成期間によって、複雑な風味が増し、長期熟成にも耐えうる品質を持ちます。
- イタリアワインの格付けのうち最上位の格付け DOCG(統制保証原産地呼称))に認定されています。
-
イタリアのヴェネト州で主に造られるスパークリングワイン。
- タンク内二次発酵で造られるフレッシュでフルーティーな風味が特徴で、気軽に楽しめる。
- イタリアで造られるスパークリングワインの総称。製法やブドウ品種は多様で、辛口から甘口まで様々な種類があります。
-
スペインのカタルーニャ地方を中心に造られるスパークリングワイン。
- Champagne と同様の瓶内二次発酵で造られる
- コストパフォーマンスに優れています。
-
ドイツ、オーストリアで造られるスパークリングワインで、ほとんどが国内消費される。
- タンク内二次発酵や瓶内二次発酵など様々な製法で造られます。
スパークリングワインの製法
瓶内二次発酵(Traditionnelleトラディショナル方式)-
瓶中で二次発酵を行う伝統的な製法。
- きめ細かい泡と複雑な風味が生まれます。
- Champagne、Cremant、Cava などがこの製法で造られます。
-
タンク中で二次発酵を行う製法。
- フレッシュでフルーティーな風味が特徴です。
- Prosecco や一部の Spumante などがこの製法で造られます。
第五部 Champagneシャンパーニュの味わい表現
スパークリングワインの味わい表現は、その残糖度によって大きく異なります。また、ブドウ品種、産地、製造方法、熟成期間などによって、さらに多様な味わいが生まれます。スパークリングワインを選ぶ際には、残糖度の表示と合わせて、テイスティングコメントなどを参考にしてください。
1. Brut Natureブリュット・ナチュール (Zero Dosage / Pas Dosé)
極めて辛口: 残糖度が非常に少ないため、甘さはほとんど感じられません。
シャープ: 高い酸味が際立ち、キレのある味わいです。ミネラリー: 土壌由来のミネラル感が強く感じられることがあります。
ピュア: ブドウ本来の風味がストレートに表現されます。
ドライ: 後味はすっきりとドライです。
表現例: レモン、グレープフルーツ、青リンゴ、白い花、貝殻、火打石
2. Extra Brutエクストラ・ブリュット
辛口: ブリュット・ナチュールよりわずかに糖度が高い辛口です。
フレッシュ: 爽やかで生き生きとした酸味が特徴です。繊細: 繊細な果実味や酵母のニュアンスが感じられます。
ドライ: ややドライな後味です。
表現例: ライム、洋ナシ、白い花、ブリオッシュ
3. Extra Dryエクストラ・ドライ (Extra Sec)
やや辛口: ほのかな甘みがあり、ブリュットよりもフルーティーな印象です。
フルーティー: リンゴ、桃、柑橘類などの果実味が豊かです。
バランス: 酸味とわずかな甘みのバランスが取れています。
飲みやすい: 親しみやすい味わいです。
表現例: 黄リンゴ、ネクタリン、シトラス、アカシア
4. Secセック (Dry)
やや甘口: はっきりとした甘みがあり、飲みごたえがあります。
まろやか: 口当たりが柔らかく、まろやかな印象です。熟した果実: 熟したリンゴやアプリコットのような風味が感じられます。
ふくよか: ボリューム感のある味わいです。
表現例: 熟したリンゴ、アプリコット、蜂蜜、トースト
5. Demi-Secドゥミ・セック (Half-Dry)
甘口: 明確な甘さがあり、デザートワインとしても楽しめます。
リッチ: 濃厚で豊かな甘みが特徴です。蜜のような: 蜂蜜やジャムのような甘い風味が感じられます。
なめらか: 滑らかな口当たりです。
表現例: 蜂蜜、マーマレード、熟した桃、ブリオッシュ
6. Douxドゥー (Sweet / Dolce)
極甘口: 非常に強い甘みがあり、デザートに良く合います。
濃厚: 凝縮感のある甘さと風味が特徴です。シロップのような: シロップやコンポートのような甘さです。
とろりとした: 口の中でとろけるようなテクスチャーです。
表現例: ドライフルーツ、キャラメル、ハチミツ漬けの果物
あとがき
いろいろな国、地域で特色のあるスパークリングワインが造られています。第六部 世界のスパークリングワインを歩くでフランスの Champagne を始めとして各国の Champagne と同じ瓶内二次発酵で造られたワインを紹介しております。
Champagne の読み方について、ワイン業界やワイン愛好家の間では、Champagne 地方ワインの独自性と品質を尊重する意味合いを込めて「シャンパーニュ」という言葉が好んで使われています。これに倣い原産地名称、及びワインについてシャンパーニュと表記し、フランス Champagne 地方以外で造られる発泡性ワインは、スパークリング・ワインと表記しています。一般的には、発泡性ワインの代名詞として「シャンパン」という言葉が広く使われています。
読者の皆様が、お祝い事や喜びを表現する特別な飲み物スパークリング・ワインを楽しまれる時の一助になれば幸いです。
第六部 世界のスパークリングワインを歩く
Champagneシャンパーニュ のメゾン
Veuve Clicquot Ponsardin Yellow Label Brut
- ボリューム 軽□□□□■□□重
- 酸味 弱□□□□□■□強
- 発泡性 弱□□□□□■□強
- 爽やかでドライな風味と繊細な泡が特徴。 柑橘類、青リンゴ、トーストなどのアロマと風味がある。
- 【Ownership】LVMH (Louis Vuitton Moët Hennessy)
- 【Winemaker】Didier Mariotti
- 【Region or Appellation】Champagne Brut > Champagne > Franc
- 【Wine Style】Sparkling Wine-Complex and Traditional
- 【Grape/Blend】Champagne Blend
- 【Blend】 Pinot Noir50%, Pinot Meunie20%r, Chardonnay30%
- 【Food Pairing】Pairs well with Shellfish, Crab and Lobster
- 【Method】Traditional Method
- 【Dosage】Brut
- 【Sweetness】Dry
- 【Alcohol】12%
- 【Avg. Price 】¥10,000/750ml
- 【Total Production Volume】More than 100,000 Bottles
- 1743年創設のシャンパーニュの最大メーカー。
- 3代目 Jean-Rémy の時代の顧客リストには、 Napoleon1世他貴族や社交界の著名人が連ねられている。の時代の顧客リストには、 Napoleon1世他貴族や社交界著名人の名が連ねられている。
- Veuve Clicquot は Champagne の最も有名な生産者のひとつであり、1772年の創業以来、常に高い販売実績を誇っています。
- Pinot Noir がメインで Chardonnay、Pinot Meunier を従とするブレンドは、創業当初から変わりません。
- 同社は、死んだ酵母細胞を除去し、完成したワインに透明感を与える riddling(澱引き)のプロセスを発明したことで有名です。
- このメゾンは1772年に Philippe Clicquot によって、彼の繊維事業の副業として設立されました。
- 1798年、Philippe Clicquot は、彼の息子 Francois と、地元の著名な実業家 Ponsardin の娘との結婚によって、Philippe Clicquot の事業と Ponsardin の事業の両方の力を統合しました。
- Francois と彼の妻、Barbe-Nicole は、ワイン事業を引き継ぎ、その成長を促進する機会を見出しました。しかし、ナポレオン戦争の勃発により、その試みは見事に失敗し、 Francois Clicquot は1805年に亡くなりました。
- Barbe-Nicole は独力で事業を続け、義父 Philippe Clicquot の投資とロシア皇帝 Alexander 1世への巧みなワインの密輸により、Veuve Clicquot は市場に爆発的に受け入れられます。そして Barbe-Nicole Ponsardin の下で、Champagne 地方で2番目に大きな生産者となりました。
Barbe-Nicole Ponsardin
- Riddling (澱引き)工程の開発により、生産量が大幅に増加し、需要を満たすことができました。
- 現在、Veuve Clicquot Ponsardin は、ラグジュアリーブランドの巨人であるLVMH(Louis Vuitton Möet Hennessy)が所有しています。
- Veuve Clicquot のポートフォリオは、Brut, Rosé, Demi-Sec の各タイプで、non-vintage と vintage のワインがあります。
- トップワインは La Grande Dame で、1972年に Barbe-Nicole に敬意を表して初めて造られた vintage champagne であり、8つの grand cru vineyards のブレンドから造られています。
- ポートフォリオに新しく追加された Rich Collection は、高いドサージュにより甘く丸みのある風味を特徴とするシャンパーニュです。
- The Veuve Clicquot underground cellars (crayères) は、中世に設立されたチョーク採石場が起源です。 Colline Saint Nicaise の地下で24キロメートル以上に広がる 深さ10~50mのカーヴの中は、光も音も届かず、8~12度の温度と湿度を保ち Champagne の熟成に最適な環境です。2015年、このセラーはユネスコ世界遺産に登録されています。
Moet&Chadon Champagne Brut Imperia
- ボリューム 軽□□□□■□□重
- 酸味 弱□□□□□■□強
- 発泡性 弱□□□□□■□強
- 黄金色がかった麦わら色。 青リンゴや柑橘類の生き生きとした力強さ。 ミネラルのニュアンスと白い花のフレッシュさ。 ブリオッシュ、シリアル、フレッシュナッツのエレガントな香り。 洋梨、桃、リンゴの贅沢な味わい。魅惑的なきめ細かい泡、柑橘系果実の柔らかな活力とスグリのニュアンスが感じられます。
- 【Ownership】LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton SE
- 【Winemaker】Dominique Foulon
- 【Region・Appellation】Champagne Brut > Champagne > France
- 【Sparkling】Complex and Traditional
- 【Grape / Blend】Champagne Blend
- 【Blend】35% Pinot Noir, 35% Pinot Meunier, 30% Pinot Meunier
- 【 Food Pairing】Shellfish, Crab, Lobster
- 【Avg Price】¥9,000 / 750ml
- 【Alcohol ABV】14.9%
- 【Method】Traditional Method
- 【Dosage】Brut
- 【Sweetness】Dry
- 【Total Production Volume】More than 100,000 Bottles
- Imperial はフランス語で「皇帝のもの」の意味でナポレオン1世と Moet 家の関係を語っているものです。
- 英国王室、スペイン、ベルギー、スウェーデン、デンマークの王室、バチカンの御用を賜っています。
- Champagne の都 Eperneyエペルネに本拠を置く Moët & Chandon は、Champagne 地方の最も古く、そして最大の栽培業者です。 年間6000万本の生産能力を誇り、1150ヘクタールの自社畑に加え、多くの栽培農家からブドウを調達している。
- 1743年、Claude Moët によって Moët et Cie として Eperney で設立された。当初はスティルワインを扱っていましたが、徐々にスパークリングワインの製造・販売に注力していきます。
- 1748年、Louis15世の眼鏡にかない、フランス王室御用達の Champagne になる。
- 1792年、Claude Moët の孫 Jean-Rémy Moët が経営を引き継ぎ、事業を国際的に拡大する。ナポレオン1世との親交を深め Moet&Chadon の名声を高めます。この時代の顧客リストには、ナポレオン1世の他、貴族や社交界の著名人が名を連ねている。
- 1833年、3代目 Jean Rémy Moët は息子の Victor と、娘婿の Pierre Gabriel Chandon の2人を後継者に指名し名前を Moet Chandon とする。
- 1869年、ナポレオン生誕100周年の年に Moet Chandon の顔ともなる Moet Imperial を初リリースする。
- 1960年代、Dom Perignon を手掛けていた Champagne Mercier を買収する。
- 1968年、高級香水・化粧品会社の Parfums Christian Dior を傘下に収める。
- 1971年、コニャック製造会社の Hennessy と合併し Moet Hennessy ホールディング カンパニーになる。
- 1987年、ファッション界の巨人 Louis Vuitton グループと合併し高級コングロマリットとして知られる LVMH(Louis Vuitton Moët Hennessy)を設立した。
- Moët のメゾン・スタイルはフレッシュで果実味を前面に押し、non-vintage Brut は Pinot Noir と Pinot Meunier が主体で、Chardonnay は少なめ。 ブドウは Champagne 地方の230の村の800の区画から収穫される
- 幅広いテロワールから選択できるため、ブレンダーは完成したワインをより細かくコントロールすることができ、毎年大量生産されているにもかかわらず、 Moët のワインは驚くほど一貫性があります。ワイナリーでの大部分のプロセスは機械によって制御されています。
- Moët & Chandon のラインナップはシンプルです。non vintage の brut, rosé, demi sec, vintage の brut と rosé からなっています。彼らのプレステージ・キュヴェは、象徴的な Dom Pérignon であるが、時とともにそれは Napa Valley のアイコン的存在 Opus Oneと同様、独立した別次元のものとして扱われています。
- Champagne 地方にある全畑の約3.5%に当たる1190haを保有する。その内50%が Grand Cru 村の畑、25%が Premier Cru 村の畑となっている。
- Champagne 地方の格付けは村に対して行われており、100%格付の村が Grand Cru 、90~99%格付の村が Premier Cru となっている。
- Champagne では葡萄の取引価格を安定化させるため、畑から採れるぶどうの品質に応じて、村ごとに80~100%までの範囲で格付している。(10kg当たり100ユーロというのがその年の取引価格なら、100%格付の村で採れたぶどうは100ユーロ、80%格付の村で採れたぶどうは80ユーロで買い取られる)。現在は自由取引となっている。
- Moet Chandon は味わいの一貫性を保つ為、自社畑以外に Champagne 地方の契約栽培農家から買い付けている。
- 広大な面積の畑を管理するため、250人もの栽培担当者が日々、ぶどうの育成状況をチェックし、収穫期には300もある区画ごとに最適な収穫日を判断し手作業で一房ずつ摘み取っている。
- 「Moet-Chandon」
- 「Veuve Clicquot」
- 「Mercier」
- 「Pommery」
- 「Ruinart」
- 「Dom Perignon」
Dom Pérignon Brut
- ボリューム 軽□□□■□□重
- 発泡性 弱□□□□■□強い
- 酸味 まろやか□□□□■□シャープ
- 【Ownership】LVMH (Moët Hennessy Louis Vuitton)
- 【Winemaker】Dominique Foulon
- 【Region・Appellation】Champagne Brut > Champagne > France
- 【Sparkling】Complex and Traditional
- 【Grape / Blend】Champagne Blend (Pinot Noir - Chardonnay)
- 【 Food Pairing】Shellfish, Crab, Lobster
- 【Avg Price】¥85,000 / 750ml
- 【Drinking Window】2000 - 2020
- 【Alcohol ABV】12 - 12.5%
- 【Method】Traditional Method
- 【Dosage】Brut
- 【Sweetness】Dry
- Moët & Chandon が所有するシャンパーニュブランドです。
- 起源は、フランス北部の Saint Pierre d'Hautvillers 修道院、いわゆる Champagne 発祥の地にまでさかのぼることができます。
- 17世紀のベネディクト会の僧侶、Pierre Pérignon は、1668年に修道院のセラー検察官に就任した後、シャンパーニュ発明の功績を認められています。Dom Pierre Pérignon は、その後47年間、世界で最高のワインを作るために努力しています。彼のワインは、太陽王ルイ14世の宮廷のテーブルを飾っていました。
- Saint Pierre d'Hautvillers 修道院には、「シャンパーニュの文化の決まり事」「シャンパーニュのブドウの文化に関する論文」があります。これらは Dom Pierre あるいは弟子や後継者に寄って書かれています。
- Dom Pérignon のブランド名は、Mercier Champagne の創設者 Eugène Mercier が最初に登録しています。その後、彼は Moët & Chandon Champagne house にブランドを売却します。Moët & Chandon と Dom Pérignon の両方が LVMH(Moët Hennessy ‐ Louis Vuitton )グループのメンバーになりました。
- Dom Pérignon は、マニフェストで Chardonnay と Pinot Noir からブレンドされたヴィンテージワインへの取り組みを宣言しています。
- 各ヴィンテージのブドウは、Champagne の最高のブドウ園からのみ調達されています。ブドウを早く収穫するほとんどのシャンパーニュ生産者とは異なり、元セラーマスターの Richard Geoffroy によってブドウがゆっくりと熟すのを待つことが確立された。
- Richard Geoffroy は、1990年から彼のアシスタント Vincent Chaperon に道を譲る2019年1月までセラーマスターを務めました。Geoffroyはブランドの顔であり、現代のシャンパン業界で最も有名な人物と見なされています。
Portfolio
- Richard Geoffroy は、2014年からワイン表記の Oenothèqu を取止め ワインの開発のさまざまな段階で3つのリリースを行う Plénitude (熟成のピーク) コンセプト を導入しました。
- 各ヴィンテージには3つの Plénitude(熟成のピーク) があります。 最初は約9年後に発生します。 これは、標準的な Dom Pérignon Vintage です。
- ワインは約12〜15年で2回目の Plénitude(熟成のピーク) に達する可能性があります。 この瓶詰めは、以前は最初の Oenothèqueとして知られていた Dom Pérignon P2です。
- 最終的な Plénitude(熟成のピーク) である Dom PérignonP3 は、約25年後に発生する可能性があります。 引用されているすべての時間帯は一般的な物で個々のリリースははるかに古い事があります。
- Dom Pérignon Rosé は、1959年に最初に製造されましたが、すべてのヴィンテージで製造されたわけではありません。
- Oenothéque P2、P3バージョンの製造は、さらにまれです。
Pommery Brut Royal
- ボリューム 軽□□□■□□重
- 発泡性 弱□□□□■□強い
- 酸味 まろやか□□□□■□シャープ
- 色は黄金がかった黄色、炭酸は綺麗に立ち、 香りは洋梨や桃のような感じ。
- 【Ownership】Vranken - Pommery Monopole
- 【Region or Appellation】Montagne de Reims > Champagne Brut > Champagne > France
- 【Wine Style】Sparkling Wine-Complex and Traditional
- 【Grape/Blend】Champagne Blend
- 【Blend】34% Chardonnay, 33% Pinot Noir & 33% Pinot Noir
- 【Food Pairing】Shellfish, Crab, Lobster
- 【平均価格】¥7,000/750ml
- 【格付け】Second label of Chateau Latour.
- 【Maturation】Oaked
- 【Alcohol ABV】12 - 12.5%
- 【Sweetness】Dry
- 【Method】Traditional Method
- 【Dosage】Brut
- 【Maturation】Unoaked
- Pommery は Reims にある Champagne house です。
- 今日、とても人気のある Brut style の Champagne の発明者であると主張しています。
- 1860年代の Champagne は甘口が主流でしたが、Madame Pommery が世界で初めて辛口の Champagne を考案し、それまではデザートワインのような食後酒とされていた Champagne が食前や食事中にも広く楽しめるようになる。
History
- 1836年に Narcisse Greno が Dubois-Gosset という名前の Champagne négociant のビジネスを始め、その後 Dubois&Greno に名前を変えます。
- 1839年に Dubois が亡くなった後、Narcisse Greno は別のパートナー Wibert と Wibert&Greno を経営します。Wibert は18年後に事業から撤退し、新たに羊毛商人の Alexandre Pommery が加わります。
- 1856年に Alexandre Louis Pommery と Narcisse Greno によって Pommery 社が設立されました。
- 2年後の1858年に Alexandre Louis Pommery は亡くなります。Jeanne-Alexandrine Louise Pommery は、夫に代わって会社を統括し、19世紀半ばの初期の始まりから実質的な成長へと Louise Pommery が導きます。
- 1866年に、会社名を Veuve Pommery&Fils に変更し息子が事業へ参入します。但し20世紀まで称号の「Pommery&Greno」は維持しています。
- 1868年、Reims で50haの土地を取得し、地下のギャラリーを18 kmの長さの広大なセラーに接続する作業を始めます。この複合施設には、2,000万本以上のシャンパーニュを熟成させて保管するスペースがあります。
- 2015年に世界遺産として登録されたカーヴはローマ時代の石灰岩でできており10℃というシャンパーニュ造りに理想的な温度が保たれています。116段の階段を降りた地下にあり、その規模は全長18km、地下30mにもおよぶ。創業以来、芸術との深い繋がりを誇るポメリーは、毎年「エクスペリエンス・ポメリー」という現代美術の祭典をこのカーヴの中で開催しています。
- Pommery は、最初の Brut Champagne の製造者であると主張しています。1874年ヴィンテージの Pommery Nature で、それまでの高い酸性度を相殺するための dosage を変更し Dry な味付けにし英国にて評価を得ています。
- Madame Louise Pommery は、Reims の南 Chigny-les-Roses で亡くなります。彼女はフランス人女性として初めて国葬をされます。彼女の死後、娘の結婚先の Polignac 侯爵家が20世紀初め迄管理します。
- その後は、Bordeaux の Ch.Phelan-Ségur の所有者 Xavier Gardinier の手に渡ったり、1991~2002年まではLVMHグループ(Dom Pérignon/Moet & Chandon/Veuve Cliequot/Louis Vuitton)など、所有権の変更を経験します。
- 2002年、Vranken Monopole グループに買収されましたが、ブドウ園は LVMH のままです。両当事者は grand cru vineyards を中心とした供給契約を結んでいます。
- Cuvée Louise は、Chardonnay は Avize と Cramant 、Pinot Noir は Aÿ 、の3つの Grand cru vineyards からのブドウのみで構成されています。
- Brut Champagne は、「Brut Royal」「Brut Apanage」「Brut Blue Sky」などです。
- 175周年記念に、Reims の本社の隣にある25haの壁に囲まれたブドウ園から調達した葡萄から「Les ClosPompadour cuvée」を発売しました。 当初は non-vintage でしたが、2014年の2回目のリリースは2003年ヴィンテージでした。
- ボトルから直接飲んだり、ストローで飲むために造られた Champagne の POP も有名です。
- 現在においても Pommery のスタイルは、Madame Pommery から引き継いだ意志や、最高醸造責任者の研ぎ澄まされた感性と経験・技術によって守られています。それはエレガントな香り、フレッシュかつ快活な味わい、そして魅力的な長い余韻です。
Taittinger Brut Réserve
- ボリューム 軽□□□■□□重
- 発泡性 弱□□□□■□強い
- 酸味 まろやか□□□□■シャープ
- シャープフレッシュでパリッとしてる、ミネラル感あって泡も繊細
- 【Ownership】Taittinger Family
- 【Region・Appellation】Champagne Brut > Champagne > France
- 【Sparkling】Complex and Traditional
- 【Grape / Blend】Chardonnay - Pinot Noir
- 【Blend】50% Chardonnay, 50% Pinot Noir
- 【 Food Pairing】Shellfish, Crab, Lobster
- 【Avg Price】¥32,000 / 750ml
- 【Method】Traditional Method
- 【Dosage】Brut
- 【Sweetness】Dry
- 1932年、Pierre Taittinger が1734年創立のフルノー社を買い取り設立されました。彼の息子 François が1945年に経営を引き継ぎセラーとブドウ園を拡大し、Taittinger をトップ Champagne house にしました。
- 2005年、同社はアメリカの投資 Starwood group に売却されましたが、翌年には家族によって買い戻されています。Champagne で最も有名な家族経営の Champagne メゾンです。
- 家族経営のこのワイナリーは、約290ヘクタールのブドウ畑を所有してり、その約半分が Pinot Noir 、残りは Chardonnay と少量の Pinot Meunier が植えられています。これらの自社畑が Taittinger の生産量の50%を占め、残りは歴史的に関係のある契約栽培農家からのブドウを使用しています。
- Taittinger は Reims 市に拠点を置くChampagne で最も有名なメゾンのひとつです。
- Taittinger は、Chardonnay 主体のキュヴェで有名です。
- 1952年のヴィンテージから造られている、Comtes de Champagne が Taittinger の最高峰のワインであり、ブドウは主に Avizé, Chouilly, Le Mesnil-sur-Oger の grand cru vineyards から調達されています。オーク樽は、タンニンや重さを加えるのではなく、brioche や grilled almonds の風味を与えるために控えめに使用され、ボトルは、 Reims の旧 Saint-Nicaise 修道院(現テタンジェ本社)地下のチョーク層のギャラリーで少なくとも10年間熟成されます。
- Taittinger の最高級シャンパンは、世界最高品質の Chardonnay を生み出す産地として名高い Côte des Blancs 地区産 Chardonnay のみを使用した blanc de blancs で、この地域においてその品質の安定性で高い評価を得ています。
- Brut Reserve NV は40%の Chardonnay 、残りを Pinot Noir と Pinot Meunier で構成しています。 フレッシュでで繊細なスタイルになっています。さらに demi-sec, rosés, single-vineyard, vintage, limited-edition wines など、さまざまなスタイルの Champagne を製造しています。
- Taittinger は、Comtes de Champagne Brut Rosé も生産しています。このワインのブレンドは、Pinot Noir が主で Chardonna はわずか30%です。醸造された後に赤ワインを造るように Pinot Noir 15%が皮と一緒に発酵させブレンドされます。
- 最近、Taittinger はイングランドの Kent 地方にブドウ園を設立しました。
Krug Grande Cuvee Brut
- ボリューム 軽□□□■□□重
- 発泡性 弱□□□□■□強い
- 酸味 まろやか□□□■□シャープ
- 黄色がかった黄金色、白い花、グレープフルーツ、オレンジの皮、シトラス、ナッツ、ジンジャー、バニラ、シナモン、ミネラル、クリーム、オーク、はちみつと、第一から第三アロマまでとっても充実しています。
- 【Ownership】LVMH Moët Hennessy
- 【Region・Appellation】Champagne Brut > Champagne > France
- 【Wine Style】Sparkling - Complex and Traditional
- 【Grape / Blend】Champagne Blend
- 【平均価格】¥41,000 / 750ml
- 【Food Pairing】Shellfish, Crab, Lobster
- 【Alcohol ABV】12%
- 【Method】Traditional Method
- 【Dosage】Brut
- 【Sweetness】Dry
- Krug は Champagne 地方で最も名高いメゾンの一つであり、そのワインはChampagne の中で最も収集価値が高く高価なものです。このメゾンは、ドイツの Mosel 地方出身の Joseph Krug がフランスに移住し、当時一流のシャンパーニュメゾンであった Jacquesson でしばらく働いたのち1843年に設立した。
- Krug の哲学は、「すべての Champagne は、ブドウの品質、土地の特性、醸造技術など、あらゆる要素を最大限に生かした最高の表現商品であるべき」というものだった。当時のシャンパーニュ業界では、ブドウの産地やヴィンテージによって格付けがありましたが、Krug はそれに捉われず、独自の基準で最高のシャンパンを追求した。
- Krugは、複数の栽培農家から高品質なブドウを調達し、それぞれのブドウを個別に醸造しました。こうして造られたリザーブワインをブレンドすることで、複雑で豊かな味わいの Grande Cuvée を生み出したのです。
- Grande Cuvée は、Krug の flagship Champagne であり、毎年異なるヴィンテージのワインをブレンドして造られる非常に複雑で奥深い味わいが特徴です
- このワインは、シャンパーニュ界の頂点に立つ Dom Pérignon や Cristal と肩を並べる存在であり、Krug Library と称されるブレンドと瓶内二次発酵の前に保管されるスティルワインの貯蔵庫から、10以上のヴィンテージの120種類の異なるワインをブレンドして作られています。6年間熟成され、複雑なブリオッシュやスパイスの風味が特徴です。
- 現在でも、ワインは畑ごとの区画で個別に醸造され、Krug Library に保管されています。毎年、醸造責任者が試飲委員会を率い最終的なブレンドを決定します。
- この貯蔵庫には、現ヴィンテージから50年前のものまで、様々な年代のリザーブワインが保管されています。これらのワインは、すべて Krug 自社畑で栽培された Pinot Noir, Chardonnay, Pinot Meunier から造られ Krug の全コレクションに使用されています。
- Krug は、ノンヴィンテージrosé や、最高の年にのみ造られる Krug vintage など、他にもいくつかの Champagne を製造しています。
- さらに、Champagne 地方で最高の畑とされる小さな壁に囲まれた区画から造られる、非常に希少で収集価値の高いワインが2つあります。それは、Chardonnay と Pinot Noir から造られる「Krug Clos du Mesnil」「Krug Clos d'Ambonnay」です。
- Krug は、ルイ・ヴィトンなどの高級ブランドを所有するLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループのワイン・スピリッツ部門です。
- Krug 本社は Reims にありますが、Krug が所有する非常に希少な単一区画のブドウ畑で、最高級の Pinot Noir が栽培されている Clos d'Ambonnay の敷地内に新しい醸造所を建設中で、2023年のオープン予定です。
フランスのスパークリングワイン
Cremant クレマンCrémant d'Alsace クレマン・ダルザス

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□■□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□□■□シャープ
- 素晴らしい生き生きとした泡とクリーミーでバターのようなテクスチャー。
- 【Ownership】Wolfberger
- 【Region・Appellation】Crémant d'Alsace > Alsace > France
- 【Wine Style】Cremant
- 【Grape / Blend】 60% Pinot Blanc, 35% Riesling & 5% Pinot Gris
- 【Avg. Price】¥2,300 / 750ml
- 【Food Pairing】Shellfish, Crab, Lobster
- 【Alcohol ABV】12%-12.5%
- 【Method】Traditional Method
- 【Dosage】Brut
- 【Sweetness】Dry
- 1 世紀以上にわたり、Wolfberger は伝統、専門知識、革新を重ねています。
- アルザスのブドウ畑は、北は Marlenheimマルレンハイムから南は Thannタンまで 100 km 以上に渡って広がっています。アルザスのテロワールワインは、7 種類の独特なブドウ品種から生産されています。
1,200haのブドウ畑と 13,000 区画を有する Wolfbergerウルフベルガーは、アルザスのブドウ園の多様性を可能な限り正確に反映することを目指しています。
Crémant de Bourgogne Brut クレマン・ド・ブルゴーニュ

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□■□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□□■□シャープ
- 素晴らしい生き生きとした泡とクリーミーでバターのようなテクスチャー。
- 【Ownership】Francois Martenot
- 【Region・Appellation】 Cremant de Bourgogne > Bourgogne > Burgundy > France
- 【Wine Style】Crémant
- 【Grape / Blend】Champagne Blend
- 【Food Pairing】Shellfish, Crab, Lobster
- 【Alcohol ABV】12%-12.5%
- 【Method】Traditional Method
- 【Dosage】Brut
- 【Sweetness】Dry
- 【Avg. Price】¥2,300 / 750ml
Crémant de Loire Brut クレマン・ド・ロワール

- ボリューム 軽□□□□■□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- ブリュットにしては少し甘め、元気な泡
- 【Ownership】Les Grands Chais de France
- 【Region・Appellation】 Cremant de Loire> Loire > France
- 【Wine Style】Crémant
- 【Grape / Blend】White Blend
- 【Food Pairing】Shellfish, Crab, Lobster
- 【Method】Traditional Method
- 【Dosage】Brut
- 【Sweetness】Dry
- 【Avg. Price】¥2,000 / 750ml
Crémant de Bordeaux クレマン・ド・ボルドー

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- 心地よい柑橘系のアロマ、味はフレッシュ。
- 【Ownership】Bernard Magrez
- 【Region・Appellation】Crémant de Bordeaux > Bordeaux > France
- 【Wine Style】Crémant
Crémant du Jura Brut クレマン・デュ・ジュラ

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- 美しい泡
- 【Ownership】Bénédicte et Stéphane Tissot
- 【Region・Appellation】Crémant du Jura > Côtes du Jura > Jura > France
- 【Wine Style】Crémant
- 【Grape / Blend】Chardonnay, Pinot Noir
- 【Avg. Price】¥7,000 / 750ml
Crémant de Die クレマン・ド・ディー

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□■□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□□■□シャープ
- 素晴らしい生き生きとした泡とクリーミーでバターのようなテクスチャー。
- 【Ownership】Carod
- 【Region・Appellation】Crémant de Die > Clairette de Die > Rhône > France
- 【Wine Style】Crémant
- 【Grape / Blend】Muscat Blanc, Aligoté, Clairette
- 【Avg. Price】¥2,100 / 750ml
- 【Alcohol ABV】12%
Crémant de Limoux Brut クレマン・ド・リムー

- ボリューム 軽□□□□■□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□■□□■□シャープ
- 発泡性のある白ワインという感じ
- 【Ownership】Domaine de Tholomies
- 【Region・Appellation】Crémant de Limoux > Limoux > Languedoc-Roussillon > France
- 【Wine Style】Crémant
- 【Grape / Blend】Pinot Noir, Chardonnay, Chenin Blanc
- 【Avg. Price】¥1,500 / 750ml
- 【Alcohol ABV】12.5%
Crémant de Savoie クレマン・ド・サヴォワ

- ボリューム 軽□□□□■□□□□重
- 発泡性 弱□□□□■□□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□■□□□シャープ
- 生き生きとした泡と酸味
- 【Ownership】Jean Vullien & Fils
- 【Region・Appellation】 Crémant de Savoie > Savoie > France
- 【Wine Style】Crémant
- 【Grape / Blend】Chardonnay, Altesse, Jacquère
- 【Avg. Price】¥2,800 / 750ml
Blanquette de Limoux ブランケット・ド・リムー

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□■□□□シャープ
- 少し甘いかな
- 【Ownership】Calmel & Joseph
- 【Region・Appellation】Blanquette de Limoux > Limoux > Languedoc-Roussillon > France
- 【Wine Style】French Sparkling
- 【Grape / Blend】Mauzac Blanc 90%, Chardonnay 10%
- 【Avg. Price】¥4,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類 甲殻類 鶏肉 前菜 軽食 淡白な魚 食前酒
- 【Alcohol ABV】12%
イタリアのスパークリングワイン
FranciacortaフランチャコルタBellavista Franciacorta Cuvée Brut ベラヴィス・フランチャコルタ・キュヴェ・ブリュット

- ボリューム 軽□□□□■□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□■□□強
- 酸味 まろやか□□□□□■□□□シャープ
- 紹興酒のようなコクのある酸味と甘さがしなやかに広がる
- 【Ownership】Bellavista
- 【Region・Appellation】Franciacorta > Lombardia > Northern Italy > Italy
- 【Wine Style】Italian Franciacorta Sparkling
- 【Grape / Blend】Chardonnay
- 【Avg. Price】¥10,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類 甲殻類 鶏肉 前菜 軽食 淡白な魚 柔らかいチーズ 食前酒
- 【Alcohol ABV】12%
Monte Rossa Cabochon Brut モンテローザ・カボション

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□■□□強
- 酸味 まろやか□□□□□■□□□シャープ
- きめ細やかな泡、力強くもまろやかで濃密な味わい、熟成感。
- 【Ownership】Monte Rossa
- 【Region・Appellation】Franciacorta > Lombardia > Northern Italy > Italy
- 【Wine Style】Italian Franciacorta Sparkling
- 【Grape / Blend】Chardonnay, Pinot Noir
- 【Avg. Price】¥15,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類 甲殻類 前菜 軽食 淡白な魚 食前酒
- 【Alcohol ABV】12.5%
Ca' del Bosco Franciacorta Cuvée Prestige カ・デル・ボスコ・キュヴェ・プレステージ

- ボリューム 軽□□□□■□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□■□□強
- 酸味 まろやか□□□□□■□□□シャープ
- アタックは爽やかな酸味、果実味もしっかりあり余韻にかけての苦味への移行がとてもスムーズ。
- 【Ownership】Ca' del Bosco
- 【Region・Appellation】Franciacorta > Lombardia > Northern Italy > Italy
- 【Wine Style】Italian Franciacorta Sparkling
- 【Grape / Blend】Chardonnay
- 【Avg. Price】¥4,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類 甲殻類 前菜 軽食 淡白な魚 柔らかいチーズ 食前酒
- 【Alcohol ABV】12.5%
Ferrari Maximum Brut フェッラーリ・マキシマム・ブリュット

- ボリューム 軽□□□□■□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□■□□□シャープ
- ボリューム感満点
- 【Ownership】Ferrari
- 【Region・Appellation】Trento> Trentino-Alto Adige > Northern Italy > Italy
- 【Wine Style】Italian Trentino-Alto Adige Sparkling
- 【Grape / Blend】Chardonnay
- 【Avg. Price】¥6,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 ジャンクフード 前菜・軽食 淡白な魚 食前酒
- 【Alcohol ABV】12.5%
Prosecco プロセッコ
Ruggeri Giustino B. Valdobbiadene Prosecco Superior ルッジェーリ ジュスティーノ B ヴァルドッビアーデネ プロセッコ スペリオーレ

- ボリューム 軽□□□■□□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□■□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- 変な癖がない
- 【Ownership】Rugger
- 【Region・Appellation】Conegliano Valdobbiadene Prosecco Superiore > Conegliano Valdobbiadene Prosecco > Prosecco > Veneto > Northern Italy > Italy
- 【Wine Style】Prosecco
- 【Grape / Blend】Glera
- 【Avg. Price】¥5,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 ベジタリアン 前菜・軽食 食前酒 塩漬肉
- 【Alcohol ABV】11%
Nino Franco Valdobbiadene Prosecco Superiore Brut ニーノ・フランコ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スーペリオーレ

- ボリューム 軽□□■□□□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□■□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- クリスピーでフレッシュ
- 【Ownership】Nino Franco
- 【Region・Appellation】Conegliano Valdobbiadene Prosecco > Prosecco > Veneto > Northern Italy > Italy
- 【Wine Style】Prosecco
- 【Grape / Blend】Glera
- 【Avg. Price】¥3,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 ベジタリアン 前菜・軽食 食前酒 塩漬肉
- 【Alcohol ABV】11%
スペインのスパークリングワイン
Cava カヴァ
Freixenet Cordón Negro Gran Seleccion Cav フレシネ・コルドン・ネグロ

- ボリューム 軽□□□□■□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- ドライで味わいはさっぱり感
- 【Ownership】Freixenet
- 【Region・Appellation】Cave >Spain
- 【Wine Style】Cava
- 【Grape / Blend】Macabeo, Parellada
- 【Avg. Price】¥1,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜・軽食 淡白な魚 食前酒 塩漬肉
- 【Alcohol ABV】11.5%
Segura Viudas Cava Brut Reserv セグラ・ヴューダス・カヴァ・ブリュット・レゼルヴァ」

- ボリューム 軽□□□□■□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- 果実味主体のしっかりとした味わいと元気な気泡でとても爽やか
- 【Ownership】Segura Viudas
- 【Region・Appellation】Cave >Spain
- 【Wine Style】Cava
- 【Grape / Blend】Macabeo, Parellada
- 【Avg. Price】¥1,600 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜・軽食 淡白な魚 食前酒 塩漬肉
- 【Alcohol ABV】12%
Roger Goulart Cava Gran Reserva Bru ロジャーグラート・グラン・レゼルバ・ブリュット

- ボリューム 軽□□□□■□□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- 泡立ち良い。酸は控えめ
- 【Ownership】Roger Goulart
- 【Region・Appellation】Cave >Spain
- 【Wine Style】Cave
- 【Grape / Blend】Macabeo, Xarel-lo, Parellada
- 【Avg. Price】¥3,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜・軽食 淡白な魚 食前酒 塩漬肉
- 【Alcohol ABV】12%
Clos Montblanc Cava Premiu クロ・モンブラン・カヴァ・プレミアム

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- 非常に軽くフルーティーで、カヴァというよりプロセッコに似ている
- 【Ownership】Clos Montblanc
- 【Region・Appellation】Cataluña >Spain
- 【Wine Style】Cave
- 【Grape / Blend】Macabeo, Parellada
- 【Avg. Price】¥3,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜・軽食 淡白な魚 食前酒 塩漬肉
- 【Alcohol ABV】11.5%
イギリスのスパークリングワイン
Nyetimber 1086 Prestige Cuvée ナイティンバー 1086 プレステージ・キュヴェ

- ボリューム 軽□□□□□□■□□重
- 発泡性 弱□□□□□□□■□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ。
- 青リンゴ、レモン、フレッシュで程よい酸、きめ細かな泡。料理を邪魔せず、逆に料理そのもののランクをアップさせる。まさに英国のドンペリです。
- 【Ownership】Nyetimber
- 【Region・Appellation】 Sussex > England > United Kingdom
- 【Wine Style】Sparkling
- 【Grape / Blend】 Chardonnay
- 【Avg. Price】¥40,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜 淡白な魚 食前酒
- 【Alcohol ABV】12%
Louis Pommery England Brut ルイ・ポメリー・イングランド・ブリュㇳ

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□□■□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- 全体としてはまったり
- 【Ownership】Louis Pommery
- 【Region・Appellation】 Sussex > England > United Kingdom
- 【Wine Style】Sparkling
- 【Grape / Blend】Pinot Noir
- 【Avg. Price】¥18,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜 淡白な魚 食前酒
- 【Alcohol ABV】12%
アメリカのスパークリングワイン
Schramsberg Blanc de Noirs Brut シュラムスバーグ・ブラン・ド・ノワール

- ボリューム 軽□□□□□□■□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- コクが有り酸味もある
- 【Ownership】Schramsberg
- 【Region・Appellation】North Coast > California > United States of America
- 【Wine Style】Sparkling
- 【Grape / Blend】Pinot Noir
- 【Avg. Price】¥6,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜・軽食 淡白な魚 食前酒
- 【Alcohol ABV】13%
Roederer Estate Quartet Brut ロデレール・エステート・カルテット・ブリュット

- ボリューム 軽□□□□□□■□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- クリーミーでコクがある、 熟成されたボリューム感満点の泡という感じ
- 【Ownership】Roederer Estate
- 【Region・Appellation】Anderson Valley > Mendocino County >North Coast > California > United States of America
- 【Wine Style】Sparkling
- 【Grape / Blend】Chardonnay 60%, Pinot Noir 40%
- 【Avg. Price】¥6,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜・軽食 淡白な魚 食前酒
- 【Alcohol ABV】12.5%
CHANDON California Brut シャンドン・カリフォルニア・ブリュット

- ボリューム 軽□□□□□□■□□重
- 発泡性 弱□□□□□■□□□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- 爽やかすっきり辛め
- 【Ownership】CHANDON California
- 【Region・Appellation】California > United States of America
- 【Wine Style】Sparkling
- 【Grape / Blend】Pinot Noir 57%, Chardonnay 41%, Pinot Meunier 2%
- 【Avg. Price】¥4,000 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜・軽食 淡白な魚 食前酒
- 【Alcohol ABV】13%
南アフリカのスパークリングワイン
Graham Beck グラハムベック・ブリュット

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□□■□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- 細かいシルキーな泡
- 【Ownership】Graham Beck
- 【Region・Appellation】Robertson > Breede River Valley > Western Cape > South Africa
- 【Wine Style】South African Sparkling
- 【Grape / Blend】 Pinot Noir, Chardonnay
- 【Avg. Price】¥4,000 / 750ml
- 【Food Pairing】 貝類・甲殻類 前菜 食前酒
- 【Alcohol ABV】12%
Villiera Tradition Brut ヴィリエラ「トラディション・ブリュット」

- ボリューム 軽□□□□□■□□□重
- 発泡性 弱□□□□□□□■□強
- 酸味 まろやか□□□□□□■□□シャープ
- ミディアムの伸びやかな酸味。ドライ。きめ細かくクリーミーな泡。バランスも良く泡も心地よい。
- 【Ownership】Villiera
- 【Region・Appellation】Stellenbosch > Coastal Region > Western Cape > South Africa
- 【Wine Style】South African Sparkling
- 【Grape / Blend】Chardonnay 10%
- 【Avg. Price】¥3,600 / 750ml
- 【Food Pairing】貝類・甲殻類 前菜 食前酒
- 【Alcohol ABV】12%
特別編 時を超え躍動する Dom Pérignon 伝説
Dom Pérignon は、ワイン作りを通して Hautvillers 修道院を立て直そうと考えワインの品質向上に情熱を注いでいました。そのような日々のなかで偶然、瓶内発酵が起こり炭酸ガスが発生し泡立つワインを造り出すことに成功したと言われています。
しかし、それを裏付ける史実も少なくシャンパンが流行り始めた頃、Dom Pérignon を事実よりも誇張し扱った為に多くの伝説が作られた。そしてこれらの話は、ずっと後の19世紀後半になってから広まったものです。
できるだけ多くの古文書を紐解いて Dom Pérignon と Champagne の関係にせまっています。
Dom Pérignon と Hautvillers の泡
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Hautvillers は、Champagne 地方の中心部にある Champagne の歴史と文化が深く根ざす美しい村です。Dom Pérignon は、17世紀に修道士として Hautvillers 修道院で働いていました。Dom pérignon が働いていた修道院は、現在も観光スポットとして多くの人々が訪れています。
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Dom pérignon は、ワイン作りを通して修道院を立て直そうと考えワインの品質向上に情熱を注いでいました。その様な日々を送る中で偶然、瓶内発酵が起こり炭酸ガスが発生して泡立つワインを造り出すことに成功したと言われています。
-
ある修道士が生涯の終わりに宗教的な観点から書き留めたという Dom Pérignon が死ぬ直前に語ったレシピがあります。このレシピは、あくまで伝承として伝えられてきたもので、現代のシャンパン製造においては一般的に使用されていません。「ワイン約500mlに対し、砂糖菓子約450gを溶かし、 種を取った桃5~6個、粉末にしたシナモン、ナツメグを加えて混ぜます。そこに、風味の良いブランデーを約230ml注ぎます。これを布で濾しワインに戻します。この作業をワインの樽ごとに行うことで、ワインはより繊細で熟成された味わいになる。」
- Hautviller 修道院は、フランス革命時に解体されます。この Hautviller 修道院の最後の会計係り Dom Jean-Baptiste Grossard は、『Dom Pérignon が、瓶を開けずにスパークリングワインを造り、それを澄ませる秘策を発見したのです。これ以前は、私たちの修道士は、灰色または藁色のワインしか造ることしか出来ませんでした』と初めて公にし、Dom Pérignon がスパークリングワインの父であるという考えを公言しています。更に Dom Pérignon がコルク栓を使用した最初の者であったと主張したが、これは誤った主張で、Dom Pérignon が Hautvillers に到着する以前からシャンパーニュ地方で既に使用されています。
- Dom Pérignon が働いていた修道院の最後の会計係り Dom Jean-Baptiste Grossard が、1821年にAÿ 市の副市長 d'Herbes 氏に宛てた手紙のなかに『 Dom Pérignon がシャンパンを造る方法を発見した』と書いています。この手紙以前にシャンパーニュの発明に関する記録が無いので Dom Pérignon がシャンパーニュの発明者だという話になり、シャンパーニュが流行り始めた頃、彼を実際よりも特別な人物として扱った為に多くの伝説が作られます。
- Dom Pérignon 修道士のワインへの愛好心、深い知識、鋭い観察力と研究心、そして僧侶的な貪欲さが、この自然現象の研究を促したのでしょう。しかし、科学がようやく誕生したばかりでワインの物理的・化学的性質もほとんど知られておらず、発酵に関する誤った考えしか持たれていなかった時代に、Dom Pierre がスパークリングワインを造ることができた事は本当にすごいことです。
-
しかしながら、70歳を過ぎた理性的な人物 Dom Pierre が、修道院に確実な利益をもたらすことが難しいリスクを伴うスパークリングワインの生産事業に着手したとは考え難いというのも事実です。当時のスパークリングワインは、収穫量の不規則さと生産技術の未熟さにより、品質と量が安定せず、非常に不安定なワインであっただろうと推測されます。これを裏付ける資料として Dom Pierre 逝去からほぼ120年後の1833年の Épernay 市における Champagne の破損率は35%、1834年は25%に達しており販売価格が高騰したたという Moët & Chandon の記録が残っています。
-
1713年に作成された Hautvillers 修道院の地下室と貯蔵庫の在庫目録が、Marne 県の公文書館に保存されている。そこには、Poinçonポワンソンと呼ばれる樽に保管されている古酒と新酒のみが記載されています。つまり Still wine(静止ワイン)のみが保管されていたことがわかります。※Poinçonの容量は、白ワイン用は178~184リットル、赤ワイン用は201~206リットルです。
-
以上の様に「Dom Pérignon スパークリングワイン発明者」説には、多くの疑問点は有るもののヴィンテージやブドウ品種をブレンドする技術については Dom Pierre Pérignon に負っているところが大です。
Dom Pierre Pérignon の生涯
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Pierre Pérignon は、1639年1月上旬に、シャンパーニュとロレーヌの国境にある Argonneアルゴンヌ地域の Sainte-Menehould 自治体で司法官僚の家庭に生まれています。Argonneアルゴンヌは、古代ローマ時代から人が住んでおり、中世には修道院などが建てられました。また、戦略的な要衝でもあり歴史の中で何度も戦場となっています。
- Pierre Pérignon は、1639年1月5日に洗礼を受けており名付け親は Pierre Joseph, Jeanne Pérignon であると教会の登録簿に残っています。
- Pierre Pérignon の幼少期についてはほとんど知られていませんが、彼の父親は ※Prévôtéプレヴォテの書記官事務所を監督しており、母親も夫と同じような経歴を持っています。三十年戦争(1635-1648年)の深刻な時代ではあったが、裕福な家庭であったことがわかっています。 ※Prevotプレヴォは、中世フランスにおいて、国王や領主によって任命された官職です。Prevot は、地域(Prevoteプレヴォテ)の行政、司法、軍事の権限を持ち、地域の統治を担っていました。そして Prevote の書記官事務所は、Prevot の業務を補佐する機関です。
- Pierre Pérignon の誕生から7か月後、母は亡くなり3年後に父親は地元の商人の未亡人 Catherine Beuvillon と再婚します。Pierre Pérignon 少年は、9人家族の裕福な家庭で幸せな子供時代を過ごしています。
- Pierre Pérignon の父親と父方の叔父の一人はブドウ園を所有しており、そこで彼はブドウの収穫に参加し、ブドウの世話をすることを学んだ可能性があります。
Pierre Pérignon は、多くの文書で Father Procuratorプロキュールや Dom Procurator と呼ばれています。
これは、修道院内の法律問題や紛争解決に関与する役割を担っていたり、修道院の財産管理や契約交渉など、法律に関する専門知識を提供していたと考えられます。
1968年に出版された René Gandilhon の著書『シャンパーニュの誕生』の中で、29歳の修道士 Pierre Pérignon が担うことになった職務の重要性が語られています。
この本は、シャンパーニュの歴史と製法について詳しく解説したもので、Dom Pérignon をはじめとするシャンパーニュの発展に貢献した人物や出来事について、豊富な資料に基づいて記述されています。シャンパーニュの歴史研究において重要な文献とされており、現在でも多くの研究者や愛好家に読まれています。
- Dom Pierre Pérignonが、毎朝、鍵束と水差しを持って地下室まで水を汲みに行っていたというイメージは、彼の実務の極々一部分で仕事は多岐にわたっていました。
- 畑の管理、ワイン樽の調達、家畜の売買、契約の締結、税金の徴収、そして修道院や貧しい人々への物資の提供など、非常に幅広い範囲に及んでいます。彼の日常業務は、畑の生産物の販売や購入、建物の修理、労働者の管理など、現代でいうところの経営者や管理職に近いものでした。
- これら以外にも、彼を取り巻く人々の様々な問題、例えば、債務者の反抗、農民の無責任な行動、業者の支払遅延、そして様々な言い争い事などによってさらに複雑になっていきます。特に、Hautvillers 修道院の教区民や修道院関係者とのやり取りは、彼にとって大きな負担だったと思われます。
- Dom procureur は、宗教的なことや毎日の仕事は勿論の事、修道院にとって何が一番大切かを良く理解しており、ぶどうをたくさん収穫し、より良いワインを作り修道院を立て直す気概を持ち、ワイン作りに関する細かい作業を積極的に行いました。つまり、ペリニヨン神父は、単なるワイン造りだけでなく、修道院の運営を全て担う、まさに「万能の人」だったと言えるでしょう。
- 修道院長と、上級修道士によって選ばれた Dom Pierre は、毎月のお金の使途をチェックされ、3か月毎の仕事ぶりも詳しく調べられています。修道院長の任期は3年までときめられています。それに比して Dom Pierre はなんと47年間も再任されているという驚くべき事実があります。これは、彼がとても良い仕事をしている証拠であり同時に Colbertist 主義のフランスにおいて人や土地をうまく管理することは、とても大切なことで、その仕事を任されている Dom Pierre は特別な力を持っているという意味でもあります。(Colbertist 主義とは、17世紀フランスの宰相コルベールが推進した重商主義的な経済政策のことを指します)
- 裁判所文書のおかげで、Dom Pierre が行った様々な手続きについて、正確で面白く、とても重要な事実を見つけることができます。それは、Dom Pierre が、今の時代の会社法のようなものをはるか昔に既に理解していたという事です。
- Dom Pierre は、修道院全員が王の役人の前で面倒な手続きをしなくても済むように、できる限りの簡略化をしています。同様に、修道院が昔から持っていた複雑な権利関係を整理し、より分かりやすいルールを作り上げています。その結果、修道院は明確な権利を持つようになり、現代の Champagne の生産体制の基礎を築いたと言えます。特に、遠方の土地の権利を近くの土地の権利と交換するルールなどは、現代の Champagne 地方の土地の所有形態につながる重要な一歩となっています。
Hautvillers 修道院
7世紀中頃の662年、Reims の司教 Nivard と代父 Berchaire は、Épernay 市近くの Marne 川のほとりに修道院を建設するという構想を思いついた。
以下は Reims 教会の歴史家 Flodoard の著書『Reims 教会の歴史』からの引用です。
-
ある日、Nivard と Berchaire は、Épemay からの帰り道、丘の上で一休みした。眼下には広大な景色が広がり、二人は息をのむ美しさに心を奪われます。Nivard は Berchaire の膝にもたれてウトウトし不思議な夢を見ます。鳩が森の中を舞い、ブナの木に止まるたびに森全体が神々しい光に包まれるのです。そして、Berchaire も、まったく同じ夢を見ていました。二人は、この夢が単なる偶然ではないと感じ、神様からの導きだと確信し、この地に Hautvillers 修道院を建てる決意をします。
-
静けさと美しさに満ちたこの場所は、修道院にぴったりの場所です。神様のメッセージが心に届きやすい、そんな特別な場所だと感じられます。森の中にたたずむ修道院は、Marne 川を見下ろす丘の上に建てられています。川は Châlons 平原を流れ、Ile-de-France 地方の石灰岩の崖の間を深い谷のようにして流れています。
-
かつて修道院の庭として人々に憩いの場を提供していたテラスからは、Champagne 地方が誇る息をのむようなパノラマが広がります。眼下には、何世紀もの時をかけて人々が丁寧に手入れしてきたブドウ畑が、まるで円形の劇場のように広がり、その中心から少し離れたところには、Marne 川が悠々と流れ、緑豊かな谷を作っています。反対側の水平線には、Côte des Blancs と呼ばれる丘陵地帯が、青みがかった霧の中にぼんやりと浮かび、その神秘的な姿を見せてくれます。そして、この美しい風景の中に、Champagne で有名な Épernay の街が静かに佇んでいます。穏やかな自然と歴史が織りなす、まさに絶景と言えるでしょう。
- 1668年は、Dom Pérignon が Hautvillers 修道院で活躍し始めた年でもあり12人の修道士たちが、忘れ去られていた修道院の修復に懸命に取り組んでいた。
- それ以前の修道院では、数々の出来事が起こっています。ノルマン人の襲撃によって輝かしい歴史が中断されたり、中世以降も略奪や火災に何度も見舞われています。1366年の商工組合連合体による略奪、1449年のイングランド軍による焼討、1544年と1562年の Charles 5世と François de Ranouet 副官による破壊などなど。
- これらに依って修道僧たちは1603年、完全に修道院を放棄することを余儀なくされています。
- 時は過ぎ1668年の春、反宗教改革の急進主義者12人が、この小さな、ほとんど忘れられていた Hautvillers 修道院 の修復にやってきた。彼らは、以前の人々が持っていたような願いと似てはいましたが、少し違うことを目指していました。
- Hautvillers 渓谷の頂上で Pierre Pérignon を待ち受けていた運命は、自分の信仰よりも、当時の社会の流れに大きく影響されることになります。時代はフランスの財務大臣 Colber による重商主義政策だった。それは、修道士たちが持っていた理想と相反するものだったかもしれません。Pierre Pérignon は、Hautvillers 修道院からのシャンパーニュ地方の美しい丘陵地帯の景色を見ながら複雑な気持ちになった事でしょう。
- 1668年、Hautvillers に到着した Dom Pierre Pérignon は、すでに大部分が再建されていた修道院に家具を備え付け、強化し完成させた。Verdun 出身の「神の戦士」は、世俗的な事にもしっかりと取り組み最初から卓越した実業家であることを証明した。
- 1670年5月30日、Dom Pierre Pérignon は、Champillon 村の近隣住民と激しい口論の末、殴り合いの喧嘩となった。原因は、村人が修道院の刻印が押された2つの鐘を溶かして新しい鐘を作り直そうとしたことによる。彼は鼻血を流しながらも、村民達から奪い取った聖なる鐘の一つを馬に括り付け Hautvillers 修道院への道を駆け上がった
- 1672年以降、修道院の建物に加えて、より大規模な工事が必要となりました。外壁を高くし、地下室、納屋、馬小屋、穀倉を建設する必要が出てきます。1692年に建てられた壮大な Sainte-Hélène 門はこの工事を代表するものです。修復された建物の多くは現在も存在し Moët & Chandon が所有しています。
村の反対側にある西側の Sainte-Hélène 門を過ぎると最初の庭が広がります。庭は、地下室、納屋、馬小屋、屋根裏部屋から教会の正面まで続いています。左側は納屋を通り抜けて庭に通じる通路、右側は Aubroye と呼ばれる2番目の庭に通じる門があり、その真ん中に給水場があります。圧搾機とセラー棟が Aubroye の三方を囲み、最後は修道院の建物となっています。 これらは回廊の三辺にあり、四辺目は教会の前から鐘楼の角までの廊下に囲まれています。仕様書によると、回廊は各辺に8つのアーケードで中庭に面していますが、計画図には短辺に9つ、長辺に10と記されています。
東翼にはチャプターハウス、食堂、台所、階段があり、この建物の1階に図書館がある。これに続く廊下の高さの鉄格子で建物は囲まれ、図書館内部は、壁の前に広がる本棚と「講壇にされた長いテーブル」があります。
南翼は仕様書とは異なる使用用途に1791年に変更されています。共同体用の大きなアーチ型の薪置き場と修道院長用の暖炉、2階に僧房が西翼に続いています。それらはすべて回廊のように中庭の周りを走るギャラリーに面しています。
西翼の端、教会に向かって、壮大な階段が修道院の敷地への入り口へと続いており Aubroye 中庭に面しています。1階の階段近くには門番の住居があり隣に会計係が事務所を構え、門番室の上階に文書保管室があります。会計係の事務所の先には、外国人、使用人、印刷工用の部屋がいくつかあり最後に外部食堂があります。 南側の建物から東に向かって医務室が建っています。この医務室は、傾斜地に合わせて作られた2つの地下室の上に建てられています。医務室と会計係の家をつなぐサービス棟があり、その建物が教会の裏庭を囲むように建てられています。鉄十字はその近くにあります。そして、修道院の南側に住職が住んでいる建物があります。
これらの建物は、単に建てられたという事実だけでなく、建てられた背景にある考え方や、そこで暮らす人々の快適さ、そして美しい装飾など、様々な面からの価値があります。つまり、これらの建物は、単なる建物ではなく人々の生活や文化を映し出す鏡のようなものなのです。これらの建物に見られる近代的な建築様式や美しい装飾は、中世の教会建築に見られるような神秘的な雰囲気や、厳格な修道院建築の様式とは大きく異なり、むしろ、これらの建物からは、実用的でありながら美しい、都会的、市民的な雰囲気が感じられます。
修道院の建物を改修し、新しいものを建てるといった大規模作業は、Dom Pierre Pérignon 一人の力だけでは成し遂げられたものではありません。とは言え彼が修道院の発展に大きく貢献したことは間違いありません。 事実 Dom Pierre Pérignon は、これらの工事のために自分の私財を惜しみなく提供しています。しかし、当時のキリスト教では、金銭や商売を悪魔と結びつける考え方が根強くあったため、彼は周囲の反対や不信に直面することも多かった。それでも彼は、修道院の兄弟たちがより良い環境で信仰生活を送れるように、必要な施設や条件を整えることに尽力します。
Dom Pierre は、修道院に起こるであろう悪い事態を予期していたが、なす術もなく Hautvillers 修道院はその後、大きな変化を迎えます。1789年11月に修道僧たちが追い出され、1年後の1791年3月には、修道院とその土地はすべて売られてしまいました。
礼拝や仕事に使われていた道具類が復元され、修道院の運営にどれほどの資金が必要だったかがわかりました。これだけ大規模な資金を調達するには、活発な商売が必要だったと推測されます。そして、様々な観点や証拠から考えて、主とする商売は、ワイン以外に考えられません。
Reims 大学の中世史とワイン史の専門家、Patrick Demouy 教授は、住民が減り、ワイン醸造施設が荒廃していた修道院で、再びワインが造られていることに、誰もが驚いていると語っています。
Dom Pierre Pérignon とワイン
Dom Pierre Pérignon が、La Montagne と La Rivière 産のぶどうで造った still wines の生産で 大きな成功を収めたことは有名です。 彼のワイン造りにおいて発泡性ワインの一種 Saute-bouchon を造っていた可能性はゼロではありません。しかし、それはむしろ失敗作だったのではないかと思われます。
Dom Pierre Pérignon は、シャンパーニュの製造方法である『瓶内二次発酵』だけでなく、シャンパーニュを世界に広めるビジネスそのものを確立した人物なのです。つまり、シャンパーニュの製造方法よりも、シャンパーニュ・ビジネスを大きく発展させたという点で、彼はより重要な役割を果たしています。そのため、多くの人々が彼をシャンパーニュの発明者と呼んでいるのです。
Dom Pierre Pérignon は、シャンパーニュを単なるお酒としてではなく、高い品質と特別なイメージを持つものとして世に広めた人です。それは prise de mousse(シャンパンの瓶内二次発酵により泡が発生するプロセス)の発明よりも、もっと広い範囲でシャンパンの価値を高めたと言えるでしょう。
シャンパーニュの発明者として有名な人物の物語には、多くの作り話や誇張が含まれています。これらの物語は、歴史的事実に基づいているのではなく、後の時代の商人たちが、誇張したり脚色したり自分達の都合の良いように作り上げたものです。
Dom Pierre Pérignon とブドウ畑・栽培・収穫・醸造
修道院長代理 Prosecurator Dom Pérignon の大事な仕事は、常に自分の畑を可能な限り最高の状態に保つことであった。
ワインを造り、販売する前に、ブドウという原料を栽培し、収穫しなければなりません。 Dom Pierre Pérignon のブドウ栽培に関する具体的な記録は、ほとんど残されておらず推測するしかありません。
しかし、彼の弟子であり後継者である Pierre の著書や、彼の死後に発表された匿名な著者による論文から、ある程度のことがわかります。
- Dom Pierre Pérignon が栽培するブドウ品種は、パリ周辺で最高のワインを作ることで知られる現在の Pinot Noirピノ・ノワール、シャンパーニュで非常に優れたブドウとして知られる現在の Chardonnayシャルドネ、シャルドネやピノ・ノワールの酸味やミネラル感を補いシャンパーニュにボディとボリュームを与る Meunierムニエの3品種です。
- Dom pérignon は、ブドウ畑の改良に際し、適切な量の堆肥と新しい土を加え、土壌の過剰肥沃化に注意を払いました。過剰な肥料はワインを薄味にし、深みや複雑な味わいを損ない、すぐに飽きるワインを生み出すからです。また、土壌温度の安定化のため、牛糞のみを使用し、馬糞は使用しませんでした。牛糞は発酵熱が穏やかで、ブドウの根が熱によるダメージを防ぐのに適しています。そして、堆肥と新しい土を混ぜ合わせ、冬の間じっくりと腐らせるための貯蔵庫を用意しました。
- Dom Pierre Pérignon は、老朽化、過度の収穫、劣化、実を付けなくなった等々の理由に関わらず定期的にブドウの木を引き抜いています。Dom Pierre Pérignon は、ブドウの木を常に健康な状態に保つために、毎年一部の古い根を掘り起こし、新しい根を生やすことを推奨していたと考えられます。
- Dom Pierre Pérignon は、ブドウ畑の空きスペースで、provignageプロヴィニャージュ(ブドウの挿し木の一種で、既存の株から新しい株を育成する方法) という方法で新しい株を育てました。数年かけて丁寧に育てた後、肥料をやめ、より繊細なワイン用のブドウを収穫できるように管理しました。
- 量と質は両立しないを基本コンセプトにおいて、大量生産を優先する為にブドウの木を過度に管理することはしなかった。伝統的な手法を守り、大量生産よりも品質を重視しています。剪定は2月18日以降の霜や雨の心配がない穏やかな日に作業する、特に3月に行うのが最適だと考えていました。
- 時折、生育を妨げるススキなどの植物を引き抜き、葉や茎を取り除いた後にブドウの木から少し離れた場所で燃やし灰は土に埋め戻しました
- 春の訪れとともに労働者を雇い土壌をしっかりと耕し、密集しているぶどうの株を間引きします。そして、各ぶどうの木に四半割にしたオークの心材で作られた支柱を立てぶどうの木を支えます。ぶどうの木を支柱に固定し形を整えた後、畑を耕し、芽の先端を切り詰めます。その後、樹液を有用な部分に集中させるために剪定と摘芽を行います。
- 結束作業後、再度、土を耕し踏み固められた土を柔らかくします。その後、ツルを適切な長さに切り揃え結束し直します。さらに、約3週間後ツルを剪定することでブドウが健やかに成長できるよう促します。
- 8月、畑を耕し2回目の剪定と生えた雑草を取り除きます。2回目の剪定は、ぶどうが十分に日光を浴びて甘く熟すために必要で高品質なワイン作りには欠かせません。また、土壌を暖め、雑草や害虫の発生を抑える効果もあります。
- 9月末が近づくと、ブドウの収穫時期を迎えます。Dom Pierre のワイン造りは、一般的な手法と異なる点が数多くあります。一般的に黒ブドウからは赤ワインが造られます。彼は黒ブドウから無色の白ワインを造る非常に特殊な製法に挑戦しています。このため、収穫から醸造に至るまで、細心の注意を払った特別な作業が求められます。
- ブドウの収穫は、熟成度や色合いなどに細心の注意を払って行われます。特に熟し少し青みがかった粒を厳選します。粒同士が少し離れていて、完璧に熟したものが、最高品質のワインを生み出します(密集している粒は、完熟していません)。
- ぶどうの実を、小さく曲がったナイフできれいに切り取り、茎をできるだけ残さず、潰さないように丁寧に容器に入れます。腐ったり潰れたり干からびたブドウは、房ごと取り除きます(雨の多い年には、特に細心の注意が必要です)。
- 収穫作業は、日の出の30分後から開始します。 天候が良く、太陽が照りつける場合は、9時か10時頃を目安に収穫を中止し Cuvée キュヴェ(果汁)作りに移ります。 この時間以降はブドウが熱せられてしまい、ワインの色が赤っぽくなったり、煙のような異臭がつく恐れがあるためです。
- ブドウをワインに変える際、圧搾機までの運搬時間が短いほど酸化を防ぎワインの色や風味を保てます。畑近くに圧搾機を設置することは、収穫したブドウをすぐに処理でき高品質なワイン作りに繋がります。遠くに設置すると、運搬中の振動や温度変化により、ブドウが傷つきワインの色が変わりやすくなります。
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雨が多く寒い年を除いて、ワインの色づきを完全に防ぐことは困難です。ブドウ収穫後、できるだけ早く圧搾することで、ワインはより白く繊細な仕上がりになります。これは、果汁が果皮に長く触れるほど赤みが強くなります。したがって高品質な白ワイン造りにおいては、収穫から圧搾までの時間を短縮することが非常に重要になってきます。
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現在は否定されていますが、16世紀には同じ畑で黒いブドウと白いブドウを一緒に育て、同じ圧搾機で絞ってワインを作ることは普通に行われていました。
- シャンパーニュの発明者として有名な Dom Pierre Pérignon は、ワイン造りの革新的な方法を考え出しました。それは、様々な畑で収穫された種類の異なるブドウを組み合わせてワインを造るというものです。これによってワインは、複雑で豊かな味わいになります。この手法は、現在、高級シャンパーニュを造っている会社でも大切にされています
- Dom Pierre Pérignon は、修道院の敷地内で栽培したブドウ、あるい周辺の村々の多様な Cruクリュで栽培され ※什一税として集められたブドウを修道院の圧搾機で果汁にし丹念にブレンドすることでワインの品質を調和させ、個々の Cru の特性を最大限に引き出しています。これによって複雑かつ奥深い味わいのワインを生み出していました。この独創的なアイデアは、シャンパーニュの繁栄の源泉となっています。
- ※ 什一税とは、中世ヨーロッパにおいて教会が農民から徴収していた収穫量の10分の1の税金のことです。中世ヨーロッパにおいて、ワインは単なる飲み物ではなく、宗教的な儀式や日常の食事に欠かせないものでした。そのため農民たちは収穫したワインの一部を教会に納めなければならなかったのです。この税金は、教会の運営費や貧困者の救済などに充てられていました。
1783年にベネディクト会修道士が本に書いている一説
- 『Hautvillers の白ワインが有名になったのは、1715年に70歳で亡くなった Dom Pierre Pérignon という人がいたからです。彼は、いろんな種類のワインを混ぜ合わせることで、今まで誰も味わったことのないような、とても繊細で美味しいワインを創れることを教えました。』
Dom Pierre Pérignon の弟子であり後継者である Pierre 修道士が残した論文
- 『 Dom Pierre Pérignon は、ブドウが成熟に近づく時期になると毎日ブドウ畑に行きましたが、畑ではブドウを味わいませんでした。代わりに、翌朝まで窓辺で保管し、その味を点検していました。彼はこの味点検だけでなく、その年の天気やブドウの生長の様子なども観察し、それらに合わせて醸造のレシピを調整していました。つまり、毎年、その年にしか造れない、とっておきのワインを造ろうとしていたのです』
- 『Dom Pierre Pérignon は、高齢になるまで味覚が衰えることのない驚くべき能力を持っていました。それは、ブドウを一口も食べなくても、どの地域のどの畑で採れたのかを言い当てられるという能力です。
- 例えば、修道院の畑や Cumièresクミエール村の様々な畑で採れたブドウが、たくさんのカゴに入って運ばれてきた時に彼はそれらのブドウを一つ一つ味わい、どこで育ったのかを当て、さらに、どの種類のブドウと組み合わせれば最高のワインが造れるかまで見分けることができたのです。』
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