大塚製薬とカリフォルニア最高のRidge Vineyards

2020年10月20日火曜日

North America

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Ridge Monte Bello


Ridge Vineyardsは、サンフランシスコ湾を臨むサンタ・クルーズ・マウンテンに本拠を置いています。
Ridge Vineyardsは1986年に大塚製薬が購入した完全所有のワイナリーですが、日本ではその所有者ゆえの謙虚な販売姿勢もあり、大塚製薬の完全所有のワイナリーであることが余り知られていません。

世界のワインの専門家に対して『死ぬ前に飲みたいワイン』というアンケートが行われ、偉大な過去のヴィンテージ物も含めそうそうたるワインが挙がるが、たいてい何人かがその中でRidgeの『Monte Bello』を挙げている。

大塚グループはフランスにも展開しており大塚氏は11月にフランスの最高勲章レジオン・ドヌール勲章を授与された。

Ridge Vineyards California Coast Range 1999'

【産 地】California
【地 区】Sonoma
【 畑 】Coast-range
【ワインメーカー】「聖人」とまで言われ、多くの業界人から崇拝されるPaul Draper氏。
【所有者】1986年、大塚製薬が購入する。
【Cepages】22/Carignane 20/Zinfandel 20/Sangiovese 15/Mataro 8/Petite Sirah 8/Barbera 7/Alicante Bouschet

Ridge Vineyardsの全体生産量

  • 生産量の大半を占めているのはカベルネジンファンデルです。
  • 他に若干量のシラー、グルナッシュ、カリニャン、ペティト・シラーなども生産しています。
  • 赤ワインのワイナリーとして知られるリッジだが、1962年以来、限られた量のシャルドネも生産されている。

日本企業が所有するワイナリー

高島屋が出資するブルゴーニュの「ドメーヌ・ルロワ」
サントリーグループの所有するボルドーの「Ch.Lagrange」「Ch.Beychevelle」「Robert Weil」
大塚グループの「Ridge Vineyards」

こぼれ話

1986年に大塚製薬株式会社が取得した。
リッジ・ヴィンヤーズは、米国カリフォルニア州を代表する名門ワイナリーで、その名声は米国内のみならずヨーロッパにも轟いており、世界最高峰のワインを安定的に産み出す醸造所として、絶え間ない賞賛を浴び続けている。

ワイン造りのアプローチは、伝統的な手法を重視し、ブドウ栽培、ワイン醸造の両面において極力自然なプロセスを導いてやるというもの。不世出の天才醸造家にしてリッジの象徴でもある総帥Paul Draperは、40年以上にもわたって、極めてバランスに優れ、長い寿命を持つ卓越したワインを造り続けてきた。リッジは、単一畑が持つ「その土地らしさ」の表現にも、創立以来一貫してこだわり続けており、ワインのほとんどに単一畑名が冠されている

2006年、ブッシュ大統領が小泉首相を迎えた晩さん会では「Lytton Springs2004’ ジンファンデル」が供された。ホワイトハウスでは、ゲストと縁のあるワインを供する慣例があり日本資本のリッジのワインが選ばれた。
2008年、北海道の洞爺湖で開かれたサミットの夕食会でモンテベロ1997が供された。

Ridge Vineyardsの歴史

1885年、医師のオセア・ペローネ氏が、サンフランシスコ湾を臨むサンタ・クルーズ・マウンテンの頂上に近い尾根モンテベロ・リッジに土地を買い斜面を段々畑にしてブドウ樹を植えた。
そして、周辺で採掘される石灰岩を用いて「モンテベロ・ワイナリー」を建て、その名を冠したワインを1892年に初めて生産している。セラーの建物は独特な設計で、山の斜面を掘って三階層にしていた。ここが今も、リッジの生産施設となっている。
標高800メートルの高さにあるこの建物の周囲に広がるのが、「アッパー・ヴィンヤード」と呼ばれる畑である。ペローネは、サンフランシスコのイタリア人社会では有名な人物です。

1940年代に入り神学者のウィリアム・ショートが、ペローネの畑のすぐ下にあったワイナリーとブドウ畑を購入する。
畑は打ち捨てられた状態だったが、いくつかの区画にカベルネ・ソーヴィニョンを植えなおした。

1959年、新しい所有者となったデイヴ・ベニオンと三人の共同経営者達が現在「ミドル・ヴィンヤード」と呼ばれているブドウ畑から「自社畑産カベルネ」を造る。
この一樽の四分の三しかないモンテベロ産カベルネは、同時代のカリフォルニアワインの中でもトップグループに入る出来映えだった。
これに自信を持った共同経営者たちは、1962年の収穫に間に合うよう、ワイナリーを再設立します。

1964年、山の斜面を下ったところにあった19世紀末植樹の小さな畑のブドウから最初のジンファンデルが生産された。
1966年、『ガイザーヴィル』の畑からジンファンデルの初ヴィンテージが造られた。
共同経営者たちは、家族ぐるみでモンテベロの斜面を開墾し、畑の面積を15エーカーから45エーカーまで広げていきます。この時点では、ワイン造りは週末だけの仕事だったが出来上がったワインはくっきりとした産地個性と前例がないほどの強靭さを備えていた。
1968年には年間生産量が3,000ケース弱にまで増えます。

1969年、Paul Draperが共同経営者として新たに参画する。スタンフォード大学で哲学を修めたドレーパーは実践の中で学んだ醸造家であり正規の醸造学教育は受けていません。
しかし、ドレーパーの持つ高級ワインに関する知識と伝統的な手法によって、リッジがカリフォルニアの地で先鞭をつけた、「人手を加えない」というシンプルなアプローチがさらに強められていく。ドレーパーの指揮のもと、1968年に取得していた老朽化したペローネのワイナリーが改装されたり、最高のブドウ畑が貸借または購入された。
1991年、ソノマ郡にある『リットン・スプリングス』の畑も自社畑とする。

1976年Judgment of Paris

名だたるボルドーのシャトーをカリフォルニアのワインが打ち負かしたというので大変な反響を呼んだワイン界の一大センセーションです。
Ridgeのカベルネのフラッグシップ「Monte Bello 1971'」もリフォルニア側代表に選ばれ出品され見事に赤ワイン部門の5位に入っています。
極め付きはその30年後の2006年に「30th ANNIVERSARY CELEBRATION」が当時と全く同じワインで再度比較が行われた。
この際、「Monte Bello」は2部門(古酒部門/新酒部門)を制覇します。さらに、上位をすべてカリフォルニアワインが独占し、"カリフォルニアワインは熟成しない”と主張した人たちも沈黙せざるを得ないこととなった。
リッジを含む最高のカリフォルニアワインは、約35年の長期の熟成を経てもなお美しく、それは最高のフランスワインをも凌ぐことが有るという事実が明らかになった意義は大きい。

ちなみにこの時のフランス側代表は1970年代の最高のヴィンテージ1970年の「Ch.Haut Brion「Ch.Mouton Rothschild」「Ch.Montrose」であった。

醸造家Paul Draper


職人的なワイン造りで、石灰岩土壌と冷涼な気候から生み出すボルドータイプの赤ワインや、ソノマの古木から造るジンファンデルで知られる。
 
大塚製薬がリッジを購入したのは1986年。この時、大塚氏は「何も変えず、従業員も交替させない」、資金は出しても介入しない姿勢を貫いた。
1969年に参画していたリッジの代名詞ポール・ドレイパー氏はこの時点で株主から従業員になったが、1988年にはCEOに任命されています。
2000年の英デカンター誌のマン・オブ・ザ・イヤー、2013年にはマスター・オブ・ワインが選ぶワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれています。

RidgeのPaul Draper氏、引退を表明
2016年7月1日を持って引退した。
ポール・ドレーパー氏は、世界のワイン界の誰もが認める最高峰のワインメーカーのひとりとして常に注目され、傑出したワインを造り続けてきたが、80歳になったのを機に引退を表明した。ポール・ドレーパーが50年に及ぶワイン造りで行ってきたことは、最良・最上のぶどう栽培とワイン造りを継続して行ってきたということだ。

Ridgeといえばポール・ドレーパーと条件反射的に名前が出るが、彼には20年来 Ridge Vineyardsでともにワイン造りを共有してきた非常に優れた人たちが存在する。
Eric Baugher、John Olney、David Gatesらがその人で、リッジで20年にわたりドレーパーとぶどう栽培と醸造をともにしている。
"特にこの10年以上は、彼らはドレーパーと一体化しリッジの畑と醸造のすべてを知り尽くしPaul Draperと共同でワイナリーを運営している。ドレーパーは引退するが、それによってリッジのワインが変化するわけもなく、これまで同様リッジはリッジのワインを造り続ける”とRidge Vineyardsの取締役である黒川信治氏は話しています。
ポール・ドレーパーはRidge Vineyardsを文字通り山の最高部(Ridge)に導いた。ドレーパーは引退したとしても、リッジのワイナリーでは彼の血脈が流れ続けることになる。

ドレーパー氏は、今後も取締役会の会長としてRidge Vineyardsに残留する。新しいCEOにはMark Vernon氏がすわります。

エチケット日記

2002'4/26~5/7  
2002'GWのハワイ旅行にて★★
燦燦と降り注ぐ太陽の恵みを受けたブドウから生まれたワインは14度近くもあるフルボディーの素晴らしいワインでした。
Ridge Vineyards California Coast Range 1999'

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趣味として、Wineや台湾の紹介ブログを書いたり、台湾では大阪の食文化を紹介しながら「話せる日本語」を教えています。 30代前半で起業、60で引退、現在は大阪、南国台湾を往復しながらフリーランスな生活をしています。

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