EUワイン法と加盟各国のワイン法
EUワイン法は、加盟各国の国内法に優先して各国政府や企業の行動を直接規制する規則(Regulation)が定められている。2009年8月1日に発効、2009年ヴィンテージから適用されています。欧州にはEUのワイン法が制定されるはるか以前よりワイン生産や流通、販売を規定する法令が存在している国がある。フランスではAOC(Appellation d’Origine Contrôlée)、イタリアではDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)など、EUワイン法のPDOやPGIに相当する産地呼称制度が国内法によって定めらている。
国内法によって歴史的な背景をもって定められた産地呼称は、EUワイン法でも使用が認められている。
EUワイン法に則していれば、各国は独自の措置を定めることもできる。
EUワイン法に則していれば、各国は独自の措置を定めることもできる。
例えばフランスのワイン法では「地理的表示なしワイン」のカテゴリーでリースリングやアリゴテなどのブドウ品種を表示することを国内法で禁止している。リースリングはアルザス地方、アリゴテはブルゴーニュ地方で主に栽培される品種であるため、これらの産地呼称ワインと誤認されることを防ぐためだ。
また、ワイン産地としては比較的冷涼な地域が多いドイツのワイン法では、発酵前のブドウ果汁の糖度が格付けを決める基準の一つに定められている。
ワインの味はその原材料となるブドウの栽培された産地の特徴「Terroir(テロワール): フランス語で土地や気候といった地方色を指す言葉)」によって大きく左右され、栽培に適したブドウ品種もさまざまだと考えられている。
ワインの味はその原材料となるブドウの栽培された産地の特徴「Terroir(テロワール): フランス語で土地や気候といった地方色を指す言葉)」によって大きく左右され、栽培に適したブドウ品種もさまざまだと考えられている。
各地域のワインの特徴に応じた柔軟な法整備という観点からも、EUワイン法と各国の関連国内法は互いに補完しあい、欧州のワイン文化を支えている。
EUのワイン法によるワインの定義と分類
EUのワイン法では「破砕された、あるいは破砕されていない新鮮なブドウ、もしくはブドウ果汁を部分的あるいは完全にアルコール発酵させて生産されたもの」と定義している。
このほか産地の気候条件に応じてアルコール度数や総酸度などの下限や上限が定められており、補糖や補酸、アルコールの添加といった醸造時の補助操作に対しても、添加量の上限などの基準が設けられている。
ワインの種類や産地ごとに定められたこれらの基準を満たさない場合は、たとえ同じような醸造方法で同じ地域で生産されたとしても、EUのワインとは認められず市場に出すことができない、という厳しいものだ。
カテゴリー別ルール
まず「地理的表示付きワイン」と「地理的表示なしワイン」に分けられ、さらに「地理的表示付きワイン」は、「原産地呼称保護ワイン」と「地理的表示保護ワイン」に分類される。
PDOワインには、視覚、聴覚、味覚、臭覚、触覚という人間の感覚を使って対象物を評価する「官能審査」が必須で、呼称産地で栽培されたブドウを100%使用することが義務付けられるなど、PGIワインよりも厳しい基準が課せられている。
「原産地呼称保護ワイン」PDO(英語Protected Designation of Origin)
AOP(フランス語Appellation d’Origine Protégée)
「地理的表示保護ワイン」PGI(英語Protected Geographical Indication)
IGP(フランス語Indication Géographique Protégée)
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